■数多の人間を白骨にした「ワルキューレの空間騎行」ワルキューレ

 最後に紹介するのは、「ワルキューレの空間騎行」のエピソードだ。ここでは、恐ろしい魔女として知られる機械化人・ワルキューレとその配下3人の強力なアンドロイドが登場する。

 「枯木の山」という星にて、プライダーという貧しい歌手が999号に乗り込んでくる。しかしその直後、999号はワルキューレ配下の3人に襲われ、鉄郎、メーテル、車掌、そしてプライダーはワルキューレの元へと連行されてしまう。

 彼女は自分の娘である3姉妹を人間に殺された悲しい過去を持ち、その復讐心から人間を憎んでいた。

 ワルキューレが娘の代わりとして率いる3人のアンドロイドたちも恐ろしく強く、鉄郎とプライダー、車掌の3人が一気に襲撃しても返り討ちに遭ってしまうほど。また、ワルキューレの居城の周りには数え切れないほどの白骨が漂っており、それは人間への憎悪から彼女が殺めてきた何千、何万という人間の亡骸であった。

 作中、ワルキューレが機械化人であるかは明確にはされていないが、しかし、その姿はまさに機械的であり、さらに何万もの人間を骨にしてきたという事実が、彼女の人間離れした強さを物語っている。“宇宙で最も恐ろしい女の1人”として名を馳せる彼女の本当の実力がどれほどなのかは、計り知れないだろう。

 しかし、男性3人が束になっても敵わなかったこの強力なアンドロイドたちを、メーテルはたった1人で一網打尽にしている。そう考えると、作中最も強い機械化人(?)は、実はメーテルなのかもしれない。

 

 『銀河鉄道999』に登場する機械化人たちは、それぞれが凄まじいパワーや判断力などを備えている。しかし、彼らの多くは機械であるがゆえ、人間のような心は持ち合わせていない。

 そんな数多の強敵たちと対峙し、温かい心の力で乗り越えていく鉄郎の姿は、“真の強さとは何か”を、私たちに問いかける存在なのかもしれない。

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