1984年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が始まった鳥山明氏の傑作『ドラゴンボール』。コミックは世界規模の大ヒットとなり、原作準拠のアニメ『ドラゴンボール』『ドラゴンボールZ』も20%を超える平均視聴率を記録するなど、凄まじい人気を誇った。
連載が終わっても1996年から『ドラゴンボールGT』、2015年からは『ドラゴンボール超』が放送。そして2024年から25年にかけて放映された『ドラゴンボールDAIMA』(すべてフジテレビ系)は、約6年ぶりとなる完全新作アニメということもあってファンを大いに楽しませてくれた。
アニメのオリジナルストーリーが多いこともあって、最終回では意外性のあるラストシーンや胸アツのバトルが描かれた作品もある。各TVアニメシリーズがどのように終わったのか、それぞれの最終回をあらためて振り返ってみよう。
※本記事には各作品の核心部分の内容を含みます。
■悟空の人生の節目が描かれたハッピーエンド
アニメ『ドラゴンボール』の最終回は、1989年4月19日放送の「燃えるフライパン山!一瞬の決死行」の回で、悟空が優勝した第23回天下一武道会後のエピソードとなっている。
チチと結婚式を挙げるため、フライパン山の火消しに悟空が奮闘するアニメオリジナルストーリーだ。フライパン山の炎の原因が八卦炉という炉にあると知って向かった悟空とチチ。一悶着あったものの、八卦炉の管理者であるアンニンの提案で悟空は決死の作戦を実行する。
それは芭蕉扇で風を起こして八卦炉の炎の中に一筋の道を作り、その一瞬の間に炎漏れの原因となっている空いた穴を修繕するというものだった。悟空はこの難しいミッションを見事やり遂げてフライパン山の火を消すことに成功。無事にチチと結婚式を挙げる大団円のフィナーレだった。
続く『ドラゴンボールZ』の最終回は原作に沿ったストーリーのため、もっとも多くのファンの記憶に残っているだろう。それは1996年1月31日放送の「もっと強く!! 悟空の夢は超でっけえ」の回で、第28回天下一武道会での悟空と魔人ブウの生まれ変わりであるウーブの戦いが描かれた。
戦いの中で急速に成長していくウーブと悟空の戦いに度肝を抜かれる観客たち。激しい戦いの中でウーブの強さを悟った悟空は、地球の平和を守る後継者として育てることを決意するという内容だ。
原作漫画にも描かれたウーブを背中に乗せて飛び去る悟空の姿が、今も脳裏に焼きついている人は多いはずだ。
■今でも考察ネタになっている意味深な最終回
『ドラゴンボールGT』の物語は、『ドラゴンボールZ』の最終回の5年後から始まる。ピラフ一味によってドラゴンボールの力で子どもの体になってしまった悟空。願いを叶えたドラゴンボールは宇宙に散らばったが、これを1年以内に元の場所に戻さないと地球が爆発してしまうという。そこで悟空は、孫のパンとともにドラゴンボールを求めて旅をするというストーリーだ。
数々の惑星を冒険してラスボスの一星龍(イーシンロン)を倒した悟空は、すべてのドラゴンボールを集め終えて地球を救った。その最終回「さらば悟空…また逢う日まで」(1997年11月19日放送)で悟空は、ピッコロや亀仙人たちに最後の別れともとれるあいさつをして、神龍に乗ってどこかへ旅立ってしまう。
そして100年後の天下一武道会で、子孫たが戦う姿を悟空が観戦しているという意味深な終わり方をする。パンが年老いた姿になっている一方、なぜか悟空は若い大人の姿をしていた。
また別れのあいさつをしたとき、ピッコロたちは悟空を見て、何かを悟ったようなリアクションをしていた。これらのことから「すでに悟空は一星龍との戦いのときに死んでいたのでは」「ドラゴンボールと一体化して神のような存在になったのかもしれない」など、ファンの間ではさまざまな考察が行われている。


