■盲目の刺客! 砂漠で水を自在に操る「ゲブ神」ンドゥール

 エジプトの砂漠にて、ジョースター一行は砂を操るスタンド「愚者(ザ・フール)」の使い手である犬のイギーを仲間に迎える。しかし、ここには「ゲブ神」のスタンド使い・ンドゥールが待ち構えていた。

 ンドゥールは盲目だが、音により相手の位置を把握し、水を自在に操る遠隔操作型のスタンド使いだ。彼はまず、不意を突いて花京院の両目を攻撃し、早々に戦線離脱させる。

 音を察知する能力を見抜いたモハメド・アヴドゥルは、それを逆手に取ろうと腕輪を5つ投げて人が歩いたように見せかけ、おびき寄せた水のスタンドを「魔術師の赤(マジシャンズレッド)」の炎で蒸発させようと企んでいた。

 しかし、ンドゥールは足音が不自然に途絶えたことを不審に思い、攻撃を寸前でかわしてアヴドゥルの首元を斬り付けて深手を負わせる。

 一気に2人がやられて窮地に陥った一行。承太郎は優れた嗅覚を持つイギーを捕まえ、ンドゥールの居場所を探ろうと砂漠を走り出す。しかし、イギーは承太郎に完全に協力的なわけではなかった。

 承太郎から逃げようとスタンドで飛行するイギーだが、彼はしがみついて離れない。結果的にンドゥール本体を発見するが、ンドゥールは砂を空中に撒いてその反射音で彼らの居場所を特定。承太郎の「星の白金(スタープラチナ)」よりも早く攻撃を仕掛けてきた。

 この最悪の状況で、承太郎はイギーをンドゥールに向かって全力で投げつけるという奇策に出る。そのパワーに恐れをなしたンドゥールがスタンドを戻して防御した隙を突き、承太郎が背後を取って攻撃し、勝利した。

 もしこの戦いでイギーがいなければ、本体の居場所さえ分からず、全滅していたかもしれない。それほど、ンドゥールの遠隔操作と聴覚は凄まじかった。

 

 今回紹介したスタンド使いのほかにも、ジョースター一行を苦しめた強敵は数多く登場している。
 中でも、DIOの側近であるヴァニラ・アイスの恐ろしさは特筆すべきだろう。彼のスタンド「クリーム」は、触れたもの全てを暗黒空間に飲み込み、消し去ってしまう。

 ヴァニラ・アイスとの戦いにおいて、アヴドゥルは瞬殺。イギーも砂でニセDIOを作って注意を引くことに成功するが、それが彼の逆鱗に触れてしまい、致命傷を負わされる。最期はポルナレフを助けた後、イギーも死んでしまった。

 アヴドゥルとイギーという、作中でも屈指の強さを誇るスタンド使いを1人で倒してしまったヴァニラ・アイスの力は計り知れない。DIOに対する忠誠心も強く、彼が差し向けた刺客の中でも最強のスタンド使いだったと言えるだろう。

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