■実はウルトラマンが天敵? 意外な音に弱かった「ノイズラー」

 最後に紹介するのは1980年放送の『ウルトラマン80』の第7話「東京サイレント作戦」に登場した騒音怪獣「ノイズラー」だ。

 怪獣や怪奇事件の対策チーム「UGM」の隊員であり、桜ヶ岡中学校の教師としても働く矢的猛(ウルトラマン80)。何をやっても三日坊主だった生徒たちにバンド活動を勧め、生徒たちは演奏に夢中になる。しかし練習時の騒音が問題になり、猛は練習場所を探すのに苦労していた。

 そんなとき、怪獣ノイズラーが新幹線の前に出現して大パニックに。ただちにUGMは戦闘機を出撃させて攻撃を仕掛ける。そのときの様子から、猛はノイズラーが音に反応していると推測。「東京エリアサイレント作戦」をUGMに提案し、東京の機能を一時停止させることで一切の音をなくすことにした。

 これが功を奏してノイズラーは沈静化するものの、都市の機能が停止したことでUGMに人々から苦情が殺到。そこで作戦を変更してノイズラーを一気に叩こうとするが、ノイズラーが何かの音に反応して目を覚ましたため攻撃は失敗に終わってしまう。

 このときノイズラーが目覚めたのは、我慢できなくなった猛の生徒たちが野外でバンド練習を始めたからだった。接近してきたノイズラーに驚いた生徒たちは練習を中断して逃走。ノイズラーは生徒たちを追いかけ回す。

 そこで猛はウルトラマン80に変身してノイズラーに対抗。しかしノイズラーはなかなかの強敵で、戦いは一進一退の展開に。だが途中でウルトラマン80のカラータイマーが鳴り出すと、なぜかノイズラーは急におとなしくなった。

 実はノイズラーにとって最も苦手なものが、カラータイマーの音だったのだ。ウルトラマン80は戦意を失ったノイズラーを倒す必要はないと考え、宇宙に連れ帰ることに。ある意味、自身の弱点のおかげで命を救われた数少ない例かもしれない。


 怪獣や宇宙人は個性も違えば弱点もさまざま。中には、今回紹介した例のようなユニークな弱点を持つ怪獣や宇宙人もいた。どのエピソードもクスッと笑えるものばかりなので、興味がある人はこの機会にチェックしてみては。

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