クリスマスケーキの予約1位はまさかの鬼サイド!『鬼滅の刃』キャラ人気に異変…獪岳の「男児人気が高い」噂は本当なのかの画像
アニメ『劇場版 鬼滅の刃 無限城編』(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の全世界興行収入が、日本映画史上初めて1000億円を突破したことが大きな話題となっている。

 本作は国内で379億円、全世界では1063億円を超える興行収入を記録し、観客動員数も約8917万人に達した(11月17日、アニプレックスによる発表)。この空前の大ヒットは、魅力的な物語やキャラクター、そして高いクオリティのアニメーションが総合的に支持された結果であろう。

 そんな中、ある“意外なキャラクター”がファンの注目を集めている。キャラクタースイーツを販売する『PRIROLL(プリロール)』のクリスマスケーキ予約ランキングで、なんと上弦の陸・獪岳が人気キャラクターの冨岡義勇を抑えて1位を獲得したのだ(11月19日時点)。このまさかの結果は、SNS上でも「マジか」「獪岳人気だったのかー!」と大きな驚きをもって受け止められた。

 

※本記事には作品の内容を含みます

■善逸と恩師を裏切ったはずが意外な人気?

 獪岳は今作の『無限城編』にも登場する敵キャラで、鬼殺隊の我妻善逸の兄弟子にあたる。雷の呼吸の壱ノ型以外を習得している獪岳は自尊心が高く、それゆえに壱ノ型しか使えない善逸と“共同で”後継者にされたことに不満を募らせていた。

 やがて任務中に上弦の壱・黒死牟に遭遇したことをきっかけに鬼へと堕ち、恩師である桑島慈悟郎を切腹に追い込む。作中では、善逸との戦闘で師を侮辱し続けるなど、いわゆる裏切り者として描かれている。

 同じ敵キャラクターでも、黒死牟は男性ウケ、童磨は女性ウケ、猗窩座は幅広く一般ウケするのはよくわかる。しかし、実は獪岳には以前から「男児人気が高い」という噂があった。実際にネット上では、小学生男子が獪岳や善逸になりきってチャンバラをしていたり、通学路で技名を叫んだりする姿も報告されている。

 では、なぜ獪岳は男児に人気があるのか。理由の1つは、闇落ちした雷の呼吸により発生する「黒い雷」のエフェクトが視覚的に派手で迫力があることだ。黒い炎や黒い光は少年心をくすぐる要素であり、主人公チームの人気上位キャラである善逸と同系統の力を「黒化」して使う点が、男児の好奇心を刺激したと推測できる。

 また、小柄な獪岳は子どもが感情移入しやすく、悪役でありながら彼らにとって身近な存在に思えるという点も挙げられる。巨体で、成人男性らしい存在感が強い黒死牟らと比べると、利己的だが正直で努力家という人間臭さを併せ持ち、少年に近い年代の獪岳は、現実にもいそうなタイプとして魅力的に映るのではないだろうか。

 こうした獪岳の子どもたちからの人気は、これまで“噂”として語られてきたにすぎなかったが、今回のクリスマスケーキランキングという具体的な数字によって、現実のものとして示されたと言えるだろう。

 敵キャラクターでありながら男児を中心に強い関心を集め、さらに映画での活躍がその勢いに拍車をかけたことで、獪岳は思わぬ形で人気キャラの一角へと躍り出たようだ。この現象は、キャラクターの背景や立ち位置に関わらず、多様な魅力が受け手に届く『鬼滅の刃』という作品の懐の深さを証明している。

 

 どんなキャラクターでも観客を惹きつけ、数字として動かす力がある――その事実こそが、『鬼滅の刃』が全世界で1000億円を超える大ヒットを記録した理由の1つなのだろう。今後も、思いもよらぬキャラが新たな人気の波を生む可能性は十分にあり、『鬼滅』というコンテンツの勢いはまだまだ続きそうだ。

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