■彼女の正体は人間? それとも…!?『終末ツーリング』ヨーコ
最後は、さいとー栄さんによる異色のツーリングコミックが原作となった『終末ツーリング』のヨーコだ。本作は、誰もいない終末世界の日本を舞台に、ヨーコとアイリの2人の少女がオフロードバイクで自由にツーリングをする物語。箱根や横須賀、秋葉原といった実際の地名が登場し、退廃した日本の美麗な背景も見どころの作品だ。
本作のヨーコは先に挙げた2作品のヒロインと比べて暴力性はないものの、何事にも動じない適応力と冷静さ、驚異的な治癒力を持つなど不可解な部分が多く、どこか不気味な印象を受ける。
彼女たちがいる終末世界では、爆破や天変地異といった予想外のトラブルが巻き起こる。そのたびに、旅のパートナーでありアンドロイドのアイリとともに切り抜けるのだが、度重なる災難にも人間のヨーコは恐れることなく、快活な笑顔で終末世界をひたすら楽しみ続けるのだ。
第3話では、人の遺体の存在を思わせる描写があったが、それにも軽く手を合わせるだけで取り乱すこともない。さらに、今にも飛びかかってきそうな虎を前にしながら、好奇心のほうが勝ってその場から逃げないという強心臓の持ち主でもある。
と、ここまでは異常な好奇心を持つ彼女の性格や、「これまでの旅で鍛えられた」という理由があれば納得がいくかもしれないが、もう一つ気がかりなのが、異常なほどの治癒力だ。
第6話では海ほたるを舞台に、タンクローリーから漏れたガソリンが引火し、大爆発を起こすシーンがあった。しかし、生身の人間ならひとたまりもない爆風を受けながらもピンピンしているヨーコ。加えて、指を切っても数時間で完治してしまい、傷跡すら残らない。
「治りが早い」と本人は笑うが、そのすさまじい回復スピードにSNSでは「これ、ヨーコって人間じゃなかったりする…?」「ヨーコがずっと不穏なんだがw」と、彼女の正体を考察する意見が飛び交っている。
終末世界を笑顔で駆け抜ける癒し系アニメかと思いきや、要所で不穏な空気が漂う本作。終末に至った背景や旅の行く末など、気になることは尽きないが、ヨーコの正体や謎に注目しながら最後まで楽しめそうだ。
暴力性や突飛な行動、常識を超えた描写など、それぞれ際立った個性を持つ3人のヒロインたち。物語に独特の緊張感をもたらす彼女たちに、今後どのような展開が訪れるのか、注目しておきたいところだ。


