現在放送中の恋愛ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で、夏帆さんとのW主演が話題となっている竹内涼真さん。本作ではコミカルで繊細な演技が評価されている竹内さんだが、その一方で、185センチの高身長と鍛え上げた体を武器に、肉体を張った本格的なアクションにも定評がある俳優である。
全国的なブレイクの契機となったのは、2014年から放送された『仮面ライダードライブ』である。本作で竹内さんは、主演の泊進ノ介/仮面ライダードライブに抜擢された。
当時、アクション経験がほとんどなかったにもかかわらず、子どもたちのヒーローとして全力で撮影に挑み続けたその姿は、多くの視聴者に鮮烈な印象を残した。そこで培われた経験は、その後の俳優人生においても大きな力となっている。
今回は、竹内さんのアクションの魅力が光る作品を厳選し、その“カッコ良すぎるアクションシーン”を振り返る。
※本記事には各作品の内容を含みます
■車・列車・肉弾戦…ノースタントで挑む極限アクション『太陽は動かない』
映画『太陽は動かない』(2021年公開)で竹内さんが演じたのは、心臓に爆弾を埋め込まれ、24時間以内に任務を成功させなければ爆死するエージェント・田岡亮一である。ペイズリー柄のシャツを纏う若きエージェントとして、世界を股にかけ、文字通り命がけのミッションに挑んでいく。
まず度肝を抜かれるのが、物語冒頭での大規模なカーチェイスシーンだ。ブルガリアの市街地を封鎖して撮影されており、車両の横転や爆破も実際におこなわれたという。CGでは絶対に出せない“生のド迫力”が画面から伝わってくる。
続く中盤では、列車を舞台にした壮絶アクションが描かれる。実際に列車を貸し切り、約40kmを往復させながらおこなわれたこの撮影。竹内さんは、先輩エージェント・鷹野一彦(藤原竜也さん)とともに走行中の列車へ橋の上から飛び移り、激しく揺れる屋根の上を移動して車内へ潜入。そして、扉が大きく開いた荷物車両で全身をぶつけ合う激しい肉弾戦へと挑んでいく。
揺れる鉄の床に踏みとどまり、扉の枠に掴まりながら全力で戦うその姿は、思わず息を呑むほどの緊迫感に満ちていた。
竹内さんは「ここ痛いなというのは当たり前ですね。それが自分の体でアクションをやっている証拠なのかなというのを噛み締めながらやっています」と語っており、体中に痣を作りながら撮影に挑んだことを明かしている。本気でぶつかるからこそ出る迫力が、映像に揺るぎない説得力をもたらしていた。
■拳と覚悟で殴り合う、本気の肉体アクション『龍が如く〜Beyond the Game〜』
Prime Videoのオリジナルドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』(2024年配信)で竹内さんが演じたのは、SEGAの大人気ゲーム『龍が如く』の主人公・桐生一馬であった。
本作はゲームを基に、巨大歓楽街・神室町を舞台に桐生の成長を描くオリジナルストーリーだ。1995年と2005年の2つの時代を対比させ、闘う桐生の姿が描かれている。
中でも圧倒されるのが、過去のパートで描かれる地下格闘場での死闘である。相手役にはプロの格闘家が起用され、肉体と肉体が真正面からぶつかり合う、ノースタントの衝突が展開された。勝利を重ねるごとに、桐生の象徴でもある背中の龍の入れ墨が色鮮やかに刻まれていくという演出も、ファンの胸を熱くさせた。
さらに第3話、人気キャラクター・真島吾朗(青木崇高さん)との激突が、中盤最大の見どころとなる。舞台は廃ビル。投げ技、締め技、さらにはレンガを用いた打撃など、クレイジーな攻撃を仕掛けてくる真島と桐生の攻防は、観る者にも思わず力が入るほどの緊張感を生み出していた。
そして終盤には、これらを凌ぐほどのハードアクションが待ち受けている。竹内さん自身も“人生で最も過酷な体験だったと思います”、“過酷さゆえに、そこでしか生まれない表現があった”と振り返っている。
痛みも汗も、その全てを自分の体で受け止めたからこそ、原作のゲームへのリスペクトを込めつつ、“唯一無二の桐生一馬”が誕生したのだ。


