■シリーズ史上最強の敵・加賀野亘

 シリーズの集大成ともいえる『科捜研の女 -劇場版-』に登場する加賀野亘(演:佐々木蔵之介さん)は、「シリーズ史上最強の敵」とも評される存在。彼は「ダイエット菌」を研究する天才科学者であり、極めて危険なマッドサイエンティストでもある。

 世界中の科学者が謎の転落死をとげ、警察と科捜研は加賀野が研究する「ダイエット菌」がその原因だと推測する。しかし、加賀野は研究の妨げになると捜査協力を拒否。それどころか、マスコミに訴えて京都府警に圧力をかける。

 この巧妙な立ち回りがなんとも憎たらしく、加賀野の狡猾さを示している。「科学者なら憶測で発言せず、科学で証明すべきじゃないですか?」とマリコを一蹴する姿は不気味さと不敵さを兼ね備え、付け入るスキが全くなかった。

 加賀野の恐ろしさは、そのカリスマ性にもある。実は、一連の事件の直接の犯人は彼ではない。彼の部下で被験者でもあった森奈々枝が、彼の研究のために「ダイエット菌」を使った殺人を犯していたのだ。

 森はマリコにも菌を使い殺害しようとし、逆にマリコの罠にかかって逮捕される。この犯行の裏には当然、加賀野の存在があるが、彼が直接動いたわけではないので証明のしようがない。

 さすがのマリコでも追及は不可能かと思われたが、森の体調がダイエット菌によって急激に悪化。その毒性がマスコミにも漏れてしまい、ついに加賀野の研究は日本中で大スキャンダルへと発展した。

 最終的に、彼は自身の作った「ダイエット菌」によって破滅するという皮肉な結果を迎えた。しかし、そのずば抜けた頭脳と抜け目なさ、そしてカリスマ性は、最強の敵と称するにふさわしい。 

 

 『科捜研の女』では、科学を武器にするマリコが、同等クラスの科学技術を駆使する相手に苦戦を強いられることも多い。

 真実を追及するためには、危険な状況に自ら飛び込むこともあるマリコ。今回紹介した3人は、いずれもマリコを死の寸前まで追い詰めた、極めて危険な人物たちであった。

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