沢口靖子『科捜研の女』、榊マリコを頭脳で追い詰めた「3人の強敵」 命をも脅かした危険な男たち…の画像
沢口靖子  写真/ふたまん+編集部

 日本を代表する女優である沢口靖子さん。沢口さんの代表作といえば、やはりドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系)が外せないだろう。彼女を見ると、自然に「榊マリコ」を思い浮かべる人も多いかもしれない。

 科学を純粋に信じ正義を重んじる法医研究員・マリコは、作中で数々の危険な犯罪者と対峙してきた。その中には一筋縄ではいかない厄介な相手も存在する。時には苦戦させられ、命の危機に瀕する場面すらもあるのだ。

 今回は、26年にわたる『科捜研の女』シリーズの中から、特にマリコを追い詰めた強敵たちを振り返っていこう。

※本記事には作品の内容を含みます 

■科捜研を最大の危機に陥れた爆弾魔・只野光輝

 まずはsesson1の中でも最も緊迫したエピソードともいえる、第5話「京都死の配達人!赤いルージュの殺意!!」の犯人・只野光輝(演:前田耕陽さん)だ。

 事件の発端は、京都府内のサイエンス系の会社に爆弾が送りつけられたこと。捜査線上に浮上したのが、天才的な頭脳を持つものの協調性に欠け、就職先が見つからない男・只野である。彼は科捜研の研究員・榎戸輝男のかつての教え子でもあった。

 マリコはひょんなことから只野とつながりを持ち、彼が犯人であるという証拠を固めた。その後、警察が只野を連行するが、彼は「証拠がなければ逮捕できない」と不気味に言い放つ。

 その頃、科捜研には不審な荷物が届けられていた。それは、センサーで人間のわずかな動きも感知する、高性能かつ危険すぎる爆弾だった。只野は証拠ごと科捜研を吹き飛ばす算段を立てていたのである。

 不用意に近付いてセンサーを作動させてしまった結果、科捜研のメンバー、刑事、そしてたまたま居合わせた蕎麦店の出前までが動けなくなり、それぞれが危機的な状況に陥る。

 ある者はトイレを我慢し、別の者は緊張から呼吸が苦しくなっていく。出前は肩に積み上げた蕎麦を支え続け、その表情と会話は緊張と緩和の絶妙なバランスを生み出していた。

 最終的に、マリコがあえて回路に電流を流すという“逆転の発想”で爆破を阻止。「科学は人間の幸せのためにある」と覚悟を決めて口にする姿は、見る者の胸を打った。

 証拠を消すためだけに科捜研をフロアごと吹っ飛ばそうとした只野は、まさに初期シリーズにおける最凶の敵であった。

■悪の科学者にしてマリコの天敵・古久沢明

 次に紹介するのは、season22のラスボス的な存在である天才物理学者・古久沢明(演:石黒賢さん)だ。彼はマリコの天敵ともいえる人物で、科学に関する考え方をめぐり、ことあるごとに衝突していた。 

 初登場はseason22の第1話。その時は犯人ではなかったが、科学の発展のためなら殺人犯すらも見逃すべきと豪語する、危険な思想の持ち主だった。まさに「悪の科学者」とでもいうべき存在だ。

 科学への姿勢が180度異なるマリコと古久沢は、たびたび舌戦を繰り広げた。そしてシリーズ終盤、ついに古久沢は殺人にまで手を染め、最終話ではその手がマリコにまで及ぶ。

 その殺害方法は、古久沢らしく超最先端科学を駆使したものであった。人間を一瞬で凍らせ、自身の痕跡を一切残さないという完全犯罪。その悪魔的な頭脳が、常識外の殺人を可能にしたのである。 

 マリコがどんな科学的な証拠を探そうとしても、まったく尻尾を掴ませない古久沢。彼はマリコを密室に閉じ込め、最新科学で部屋ごと凍らせようとする。

 しかし、マリコもまた、科学の力でこの窮地を打開した。科学で真実を追求するマリコに対し、古久沢は純粋な探求心ゆえに科学を犯罪に使うことを躊躇せず、その違いが際立った。

 マリコは彼の殺害計画を逆手に取り、自らが凍死寸前の状況に陥ることで、古久沢を逮捕する証拠を掴もうとした。古久沢の罠によってマリコの体が凍り付いていくシーンは、彼の強い殺意を物語っている。それほどまでに、彼は全くスキのない男だったのである。

 世界最高峰の頭脳をフルに使って、マリコを殺そうとした古久沢。「科学の発展」と「真実の追及」のどちらを優先させるか。そんな問いをマリコに突きつける最大の敵だった。

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