■連邦側もさらなる魔改造機体で対抗?
圧倒的な力を誇ったダリルたちに対して、イオも新たな力を得る。『サンダーボルト』の作中で連邦軍は、未完成の「ジオング」を鹵獲。それに連邦独自に改造を施して「パーフェクト・ジオング」と名づけ、サイコ・ザクに対抗しようと考えたのである。
パーフェクト・ジオングといっても脚部はなく、スカート部分の下に、脚のように見える3基の巨大なプロペラントタンク兼ブースターを装備。大量のミサイルを配備した武装コンテナやビームサーベルを持つための隠し腕、さらにIフィールドジェネレーターなどを備えていた。
この機体のパイロットは、イオと射撃管制を担う強化人間の少女「リリー・シリェーナ」の2名が担当。ただし、このときの連邦にニュータイプ専用のインターフェース「サイコミュ」のシステムは解明できず、ブラックボックスとされた。
その戦闘力は折り紙付きで、これまで圧倒されてきたサイコ・ザクを仲間と力を合わせて3機撃墜。南洋同盟に対して反抗の狼煙をあげたのである。
そして物語はニュータイプとして覚醒するも、同時に力に取り憑かれつつあるダリルのパーフェクト・ガンダムと、仲間の大切さを知り成長したイオのパーフェクト・ジオングの最終決戦へと進んでいく。その顛末はぜひ本編を読んで確かめてほしい。
このように『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の物語の終盤において、ジオン側のダリルがパーフェクト・ガンダム、連邦側のイオがパーフェクト・ジオングに乗るという構図が非常にユニークで面白い。
本作には今回紹介した機体以外にも、『サンダーボルト』らしい異色のメカが多数描かれている。完結した今、未読の人にも一読してほしい作品である。なお、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の最終巻となる第27巻は、2025年12月19日発売予定となっている。


