1984年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載開始された、鳥山明さんの『ドラゴンボール』。本作には、物語の鍵を握る多くの発明品が登場する。それをおもに開発したのは、主要キャラクターの1人であり、大企業カプセルコーポレーションの令嬢でもあるブルマだ。
ブルマが開発したアイテムは多岐にわたり、それらの存在が『ドラゴンボール』の壮大な物語を支えてきたといっても過言ではない。だが、その一方で、ブルマの発明品がなければ、主人公・孫悟空たちがここまでトラブルに巻き込まれることもなかったのでは? とも思うのだ。
そこで、本作のキーアイテムともいえる、ブルマの素晴らしい発明品の数々を振り返ってみたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■これがなかったら物語は始まらなかった…「ドラゴンレーダー」、旅に便利な「ミクロバンド」
まずは、ブルマの代表的な発明品「ドラゴンレーダー」を見ていこう。このアイテムは、世界中に散らばったドラゴンボールが放つ特殊な電波をキャッチし、その位置を特定できるという優れものだ。
手のひらに乗るほど小さく、普通なら発見困難なドラゴンボールを、いとも簡単に追跡できるドラゴンレーダー。ブルマはこの画期的なアイテムを10代の頃に発明しており、登場当初から使用していた。
また、悟空が筋斗雲を乗りこなすようになってからは、一緒に旅ができるよう体を小さくできる「ミクロバンド」も開発。いずれの発明品も現実世界には存在しない、天才少女ならではの発明品といえるだろう。
しかし、ドラゴンレーダーは高性能ゆえに、ドラゴンボールを狙う悪者の標的となってしまう。そして、レッドリボン軍にドラゴンレーダーを奪われたあとは、結果として多くの犠牲者を生む一因にもなってしまった。
また、ミクロバンドは潜水艇と引き換えに亀仙人の手に渡り、ブルマのプライベートを覗くという不純な目的で使われている。高性能な発明品は、手にする者によってろくな使われ方をしない危険性をはらんでいるといえるだろう。
■実は戦闘を激化させた!?「スカウター」や「タイムマシン」の修理
ブルマの天才的な技術力は、悟空たちをさらなる強敵と引き合わせるきっかけも作っている。その1つが、悟空の兄・ラディッツが地球に襲来した際に装着していた「スカウター」だ。これは、相手の“戦闘力”を数値化できる装置である。
のちにブルマは、このスカウターを解析・修理している。これにより戦闘力が可視化され、その後のバトル展開はより激しくエスカレートしていった。
また、ベジータとの戦いで失った仲間を生き返らせるため、ブルマたちはナメック星に向かうこととなる。この時、移動手段として使った「宇宙船」は、もともと神様が地球にきた際に使用したものだったのだが、これもブルマが中心となって修理し、操縦方法の解析から居住空間の改造までおこなっている。これにより、ブルマ・孫悟飯・クリリンは、ナメック星への長旅を無事に乗り越えることができた。
さらに、未来からやってきたトランクスが乗ってきた「タイムマシン」も、未来のブルマが発明したものである。
こうして物語のキーポイントになる発明品を次々に開発しているブルマだが、宇宙船やタイムマシンがなければフリーザという恐ろしい敵への遭遇や、人造人間の来襲を知ることもなく、平和な日々が続いていたかもしれない。
ただし、それだと地球の滅亡は避けられなかったため、結果的にブルマの発明は世界を救うために不可欠なものだった。だが、その天才的な発明には、常に大きなリスクが伴っていたとも言える。


