テレビ朝日系の特撮番組『スーパー戦隊シリーズ』が、現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』をもって幕を下ろすと、10月30日に共同通信など一部メディアが報じた。1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』からおよそ50年、赤や青や黄色など、カラフルなヒーローたちが戦い、現在では日曜朝の定番となっている同シリーズ。突如封じられた終了のニュースは大きな注目を集め、SNSでは「信じられない」「ショックすぎる」「公式発表を待ちたい」といった声が溢れた。
松坂桃李さん、山田裕貴さん、横浜流星さんなど、後の人気俳優がヒーローを演じてきた同シリーズは、“女優の原石”を数多く世に送り出してきた場でもある。ここでは、後にドラマ・映画・情報番組で大きく飛躍した戦隊ヒロインたちを振り返ってみたい。
■戦隊きっかけで朝ドラ・大河へ『侍戦隊シンケンジャー』シンケンピンク・高梨臨
2009年のシリーズ第33作『侍戦隊シンケンジャー』で白石茉子/シンケンピンクを演じた高梨臨さんは、まさに“戦隊きっかけでブレイクした”代表だろう。クールで勝ち気、しかも仲間をグイグイまとめる姐御肌のキャラは、のちの高梨さんのイメージそのもの。
白石茉子は松坂桃李さん演じる殿・志葉丈瑠を支える家臣の一人で、“天のモヂカラ”を使用し、シンケンピンクに変身する。シンケンジャーには森田涼花さん演じる花織ことは/シンケンイエローと2人の女性家臣が登場したが、おっとりタイプの花織と対となるイメージのキャラであり、高梨さんにピッタリの役だった。
戦隊後の高梨さんは、アッバス・キアロスタミ監督『ライク・サムワン・イン・ラブ』で世界の映画祭にも顔を出し、NHK連続テレビ小説『花子とアン』(2014年)でヒロインの友人・醍醐亜矢子役として出演。さらに2018年のNHK大河ドラマ『西郷どん』、現在放送中の『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』へも出演しており、特撮→民放連ドラ→朝ドラ→大河という“王道の出世ルート”を歩んでいる。
■90年代戦隊から一気にお茶の間の人気タレントに『超力戦隊オーレンジャー』オーピンク・さとう珠緒
90年代の戦隊シリーズでは、1995年3月からスタートした第19作『超力戦隊オーレンジャー』で、さとう珠緒さんが丸尾桃/オーピンクを演じた。
戦隊出演を足がかりにバラエティで大ブレイクし、「ぷんぷん!」のぶりっ子キャラで一気にお茶の間の人気者になったさとうさん。かわいらしい容姿とスタイルでグラビアでも大活躍し、バラエティ『出動!ミニスカポリス』への出演など大躍進を遂げた。
現在は52歳だが、その美貌は変わらず。今年は番組放送30周年であることから『オーレンジャー』の周年企画が行われており、さとうさんも久々にオーピンク姿をXなどで披露。「30年たっても可愛い」とSNSで大きな反響を呼んだ。
50代になっても、当時のヒロインがそのままの姿で出てこられるというのは、長い歴史を誇る戦隊シリーズが女優にとってどれだけ財産になっているかを示している。


