■メガネ姿がキュートだった『獣電戦隊キョウリュウジャー』弥生・ウルシェード/キョウリュウバイオレット・飯豊まりえ

 2013年の第37作『獣電戦隊キョウリュウジャー』で、千葉繁さん演じるドクター・ウルシェードの孫娘・弥生ウルシェードであり、のちに番外戦士である2代目キョウリュウバイオレットとして変身したのが飯豊まりえさん。

 当時15歳だった飯豊さんが演じた弥生は、メガネ姿の理知的なキャラでありながら、竜星涼さん演じる主人公・桐生ダイゴに片想いする可憐さもあり、わずかな出番ながらも唯一無二の存在感を発揮。2024年公開の『キングオージャーVSキョウリュウジャー』に弥生として約10年ぶりに凱旋しファンを喜ばせた。

『キョウリュウジャー』後の飯豊さんはモデル・女優として本格ブレイクし、現在は高橋一生さんと共演する実写『岸辺露伴は動かない』シリーズで泉京香を好演。2025年公開の映画『岸辺露伴は動かない 懺悔室』でもメインキャラクターとして登場しており、“戦隊→人気シリーズの相棒役”という理想的なステップをたどっている。

 こうしたヒロイン役だけでなく、第32作『炎神戦隊ゴーオンジャー』でケガレシアを演じた及川奈央さん、第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』のフラビージョ役・山本梓さん、そして第29作『魔法戦隊マジレンジャー』のナイ役から報道キャスターへと転身したホラン千秋さんなど、ファンに愛された敵幹部の女性キャラも多く、作品への出演からそのキャリアを伸ばしたケースも少なくない。

 現在放送中の第49作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』でも、敵幹部・ブーケを演じるまるぴさんが『ヤングマガジン』(講談社)の表紙を飾るなどグラビアでも活躍しており、「最後の戦隊からまた1人スターが生まれるのでは」と注目されている。

 シリーズは一度幕を下ろすことがあっても、ヒロインを演じた女優たちの物語は今も現在進行形だ。それもまたスーパー戦隊シリーズが残した偉大な功績のひとつだろう。

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