■エースの動きを封じて苦しめた…余裕が仇となった「ギーゴン」
『ウルトラマンA』第51話「命を吸う音」には、バイオリン超獣「ギーゴン」が登場する。
天才バイオリストであった父を亡くした少年がバイオリンの練習を嫌い、教育熱心な母に内緒でバイオリンを壊そうとしていた。その時、雷光のようなものがバイオリンを直撃。するとバイオリンは宙に浮き、春夫は何かに取り憑かれたように見事な演奏を始める。だが、演奏が終わると、無気力状態に陥ってしまう。
実はこの雷光は宇宙から来た「謎のエネルギー体」で、バイオリンに憑依。そして素晴らしい音色を発することで人間の魂を吸収し、巨大化していく。
その後、TACの銃撃でバイオリンが撃ち落されると、ついに超獣ギーゴンの姿に変貌。北斗星司もウルトラマンA(エース)に変身して立ち向かうが、ギーゴンの放つ超音波によってエースは動きを封じ込められてしまう。
頭を抑えて苦しむエースに対し、上機嫌となったギーゴンはなぜか追撃を加えず、周囲の建物を攻撃し始める。その隙に我に返ったエースが飛び掛かり、体の弦を引きちぎられると形勢は一気に逆転。必殺技のメタリウム光線を浴びて撃沈してしまった。
見た目は巨大化したバイオリンそのまんまで、さほど凶悪さを感じない。しかしその戦いは本当に惜しい展開であった。あのままエースを攻撃していたら、勝利は確実だっただろう。余裕を見せすぎたことが仇となり逆転されるとは、詰めが甘すぎると言わざるを得ない。
ここで紹介した怪獣たちは、いずれもウルトラマンたちを窮地に追い込んだ強敵ばかりであった。一見すると、なんだか弱そうに見えてしまうのだが、一歩間違えれば地球が壊滅していた可能性もあり、決して侮れない存在である。シリーズには、見た目で実力が計れない怪獣がまだまだ存在する。あなたが意外な強さを感じた怪獣はなんだろうか。


