2025年の秋アニメは、人気シリーズの続編が一斉に放送される“シリーズ再始動の秋”となっている。FINAL SEASONを迎える『僕のヒーローアカデミア』を筆頭に、長年にわたって愛されてきた大型タイトルが次々と新章へ突入した。すでに数話が放送されているが、物語はどれも序盤から見応え十分である。
いずれの作品もシリーズの集大成、あるいは転換点となる重要な局面に差しかかっており、まさに「今からでも絶対に観ておくべき」と胸を張ってすすめられるラインナップだ。
そこで、2025年秋アニメの中から、アニメファン必見の大型タイトルを紹介していこう。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます
■物語の終着点へ『僕のヒーローアカデミア』FINAL SEASON
2016年のアニメ放送開始から9年。『僕のヒーローアカデミア』(原作:堀越耕平さん)が、ついにFINAL SEASONへと突入した。
前期(第7期)では、ヒーロー社会の崩壊、そして第二次決戦の幕開けが描かれ、荼毘やトガヒミコといった、主要ヴィランとの因縁にひとつの決着がついた。原作でも屈指の名場面が次々とアニメ化され、まさに「毎話がクライマックス」と呼ぶにふさわしい緊張感に包まれた。
今期は、オールマイトとオール・フォー・ワンの宿命の対決から物語が再び動き出す。そしてデク(緑谷出久)と死柄木弔、すなわち、“ワン・フォー・オール”と“オール・フォー・ワン”という2人の後継者による最終決戦が描かれる。9年間にわたって積み重ねてきた絆と闘志が交錯し、物語はついに結末へと歩みを進めている。
さらに注目したいのは、シリーズの原点と現在をつなぐ主題歌だ。第1期のオープニングテーマ『THE DAY』を担当したポルノグラフィティが、FINAL SEASONでは『THE REVO』で再びタッグを組み、9年の時を経て“始まりと終わり”を飾る。
また、エンディングテーマにはBUMP OF CHICKENの『I』が起用されており、作品世界をより深く彩っている。
なお、前期放送に先駆けて放送された総集編『僕のヒーローアカデミア Memories』(全4回)は、これまでの重要なエピソードに新規カットを交えて振り返る構成だった。FINAL SEASONをより深く味わうための復習編として、時間がない人も、まずはこの4本だけでも見返しておくのがおすすめだ。
■ヒーロー協会VS怪人協会、全面戦争へ『ワンパンマン』3期
どんな敵もワンパンで倒す男・サイタマの活躍を描く『ワンパンマン』(原作:ONEさん、作画:村田雄介さん)が、待望の第3期で帰ってきた。
前期(第2期)では、幼少期の体験からヒーローという存在に複雑な思いを抱き、やがて“怪人”としてヒーロー狩りをおこなうガロウの姿が中心に描かれた。正義と悪の境界が揺らぐ中で、“力”と“理想”をめぐる物語は大きく広がりを見せ、人間でありながら怪人へと堕ちていくガロウの姿は、単なる敵役ではなく、“もうひとりの主人公”として作品に深みを与えている。
今期は、原作でも屈指の長編「怪人協会編」がついに本格始動。第1話では、ヒーローたちとの激闘の末に重傷を負い、怪人協会へと連れ去られたガロウがアジトで目を覚ます。
一方のヒーロー側も、誘拐された幹部の子どもを救うため、怪人協会への総攻撃を開始する準備を進めており、S級ヒーローたちの多彩な能力と個性が一気に花開く、シリーズ最大規模の戦いが幕を開けようとしている。
超作画によるド派手なバトルと、サイタマのマイペースなギャグが交錯する独自のテンポも健在だ。


