■カオス過ぎて伝説に‼1089話 「天才レストラン」
最後に紹介するのは、コナン史上最大のカオス回として語られることもある1089話 「天才レストラン」だ。
物語は、コナンと少年探偵団が言い争いをしてしまうことから始まる。駄菓子をめぐる些細な行き違いで小嶋元太と喧嘩したコナンは、1人で帰路につく。そこに突然、怪しい老紳士が現れた。
その老紳士は“オムライスの死体を見た”と話し、コナンを捕まえてとあるレストランへと連れて行く。そこはコナンにとっても見覚えのある場所だった。
コナンは以前、蘭とともに天才シェフ・聚楽大が経営するレストラン「聚楽大」を訪れたことがあった。そこは「特製お子様ランチ」が有名なレストランだったが、コナンは「所詮お子様ランチはお子様ランチだよ」と辛辣なことを言ってしまう。その一言が聚楽大のプライドを深く傷つけた。
老紳士の正体は、そのシェフ聚楽大であった。彼はその時の恨みを晴らすべく、コナンに接触したのである。彼は従業員とともに特製お子様ランチの着ぐるみ(!)を着て、危険なアトラクションを使ってコナンを殺そうとしてくる。
エビフライやハンバーグ、ナポリタンのかぶり物をした大人が襲いかかってくる光景は実にシュール。しかし、それに対して演出やBGMは妙にシリアスなので、どんなテンションで見ればいいのか戸惑ってしまった。
最終的にコナンは何とか窮地を脱し、聚楽大と和解。その奇妙な経験を経て少年探偵団たちとも仲直りし、物語は終わる……かに思えた。
そこでコナンのセリフがさらなる衝撃を与える。「それにしても変な夢だったな」。一体どこからどこまでが夢だったのか、まさかの夢オチにしばらく理解が追い付かないほどの余韻が残る。
脚本を担当したのは、前述の「東京婆ールズコレクション」と同じく浦沢さん。今回はミステリー要素すらほとんどなく、ファンタジー要素まで入り混じっていた。夢オチとはいえ、論理性を重んじる本作の雰囲気とかけ離れたカオスさで、ファンの間でも議論が巻き起こるほどの伝説のアニオリ回となった。
原作よりも攻めたトリックや設定も多いアニオリ回。今回紹介した作品は、膨大な数のアニオリ回の中でもトップクラスの奇想天外な回となっている。
トリックやストーリー全体が独創的すぎる3つのエピソードを、ぜひその目で確かめてみてほしい。


