フロム・ソフトウェアが手がける人気アクションアドベンチャーゲーム『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』(フロム・ソフトウェア)のアニメ化が決定。日本のみならず、世界中のゲームファンから注目を集めている。
これまでも『Fate/stay night』(TYPE-MOON)をはじめとする『Fate』シリーズや、『STEINS;GATE』(5pb. 現:MAGES.)など、アニメも大ヒットしたゲーム原作の作品は数多い。現在も、人気アドベンチャーゲーム『グノーシア』(プチデポット)のアニメ版が放送され、好評を博している。
とはいえ、大人気ゲームほどアニメ化でファンの期待を集めるが、必ずしもそれがヒットするとは限らないのも現実である。逆にそこまで期待されていなくても、「神作」との呼び声が高いゲーム原作のアニメも存在する。
そこで今回は、ゲームファンからも支持された、「ゲーム原作のアニメ作品」を振り返っていきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■原作ゲームファンも大満足だったサンライズ製作のアニメ
2005年に発売されたPlayStation2用ソフト『テイルズ オブ ジ アビス』(ナムコ 現:バンダイナムコエンターテインメント)。同作を原作とするテレビアニメ『テイルズ オブ ジ アビス』は、2008年にサンライズの製作で全26話で放送された。
『テイルズ オブ』シリーズは何作品もアニメ化されているが、ゲームのストーリーをかなり忠実に再現した作品として知られているのが、このアニメ『テイルズ オブ ジ アビス』である。
惑星オールドラントでは、二大国家キムラスカ・ランバルディア王国とマルクト帝国が、一触即発な状況を迎えていた。その裏では「スコア」と呼ばれる世界の未来予言を利用し、戦争を引き起こそうとするローレライ教団が暗躍している……というゲーム同様の設定で描かれている。
そして、このローレライ教団の野望を阻止する鍵となるのが、キムラスカ王国の第3位王位継承権を持つルーク・フォン・ファブレだ。7年前に敵国マルクトの手によって誘拐され、それ以前の記憶を失ったルークが、世界を巡る陰謀に翻弄されながらも自分が生まれた意味を知るという、胸熱のストーリーがアニメでも展開される。
過保護に育てられた甘ちゃんのルークに、最初は嫌悪感を抱く人も多いはず。しかし、旅を続ける中で次第に成長していき、生まれ変わろうと努力する姿にいつの間にか引き込まれてしまう。
そして、彼の過酷な運命と生まれた意味を知ったとき、衝撃を受けることになる。基本的にはゲームと同様のストーリー展開ながら、しっかりとアニメ作品に落とし込まれており、ゲーム以上に感情移入させられる場面もある。
人物描写や心情が丁寧に描かれているため、クライマックスの展開には激しく心を揺さぶられるはずだ。
■「これぞKey作品」が詰まった屈指の感動アニメ
『リトルバスターズ!』(Key)は、2007年に全年齢向けWindows用作品として発売された恋愛アドベンチャーゲーム。主人公の高校生・直枝理樹が、幼なじみの棗恭介、その妹の鈴らと「リトルバスターズ」という野球チームを結成し、絆を深めていく青春学園ストーリーだ。
「麻枝節」などと呼ばれるシナリオ担当の麻枝准氏によるキャラクター同士の軽快な掛け合いとギャグはやみつきになるレベル。青春ものならではの切ない展開も多く、本作もまたKey作品を象徴する「泣きゲー」のひとつである。
2012年放送のアニメ第1期(全26話)では各キャラクターが抱える問題を解決しながら、メンバーを集めていく何気ない日常が描かれている。そして2013年放送の第2期『リトルバスターズ! ~Refrain~』(全13話)では急転直下、感動が濃縮された「これぞKey作品」とでもいうべき展開が繰り広げられるのだ。
ネタバレになるため詳しくは書けないが、アニメ第1期の伏線がしっかり回収され、「世界の秘密」が明らかになる流れは秀逸。恭介たちが置かれた本当の状況、彼らの気持ちを知って、必死に強くなろうともがく理樹や鈴の姿に心を動かされるはずだ。
どちらかというと第2期の『Refrain』こそが本作のメインともいえるストーリーのため、見始めたからには最後まで完走することを強くオススメしたい。


