■バラバラの“実”ではなかった理由は?

 神の名を持つ能力者であることが確定したルフィ、そしていろいろとうわさの絶えない黒ひげと並んで、もう一人「神の実」の疑惑がかけられている海賊がいる。それは、いろんな偶然が重なって現在は四皇にまでのし上がったバギーだ。

 バギーが持つ「バラバラの実」の能力は、文字通り体をバラバラにして自由に操ることができる。斬撃が無効になる点や、足さえ地面に着いていれば分離した体を浮かせられるなど便利ではあるが、本人の戦闘能力が決して高くないこともあって、そこまで強力な能力には見えなかった。

 しかし、そんなバギーのバラバラの実には不可解な描写が存在する。インペルダウン編にて、クロコダイルの「スナスナの実」、ボン・クレーの「マネマネの実」などが紹介されたが、バギーのみ「バラバラの実」ではなく、「バラバラの能力解説」と表記されていた。

 これは長年ルフィの能力を説明する際に「体がゴム化する」と明言せず、「ゴムのように伸び縮みする」と紹介され続けたのとどこか似ている。もしかするとバギーの悪魔の実の名前を意図的にぼかすことで謎を残し、あのような表記にした可能性も考えられないだろうか。

 いつかバギーがバラバラの実の能力を覚醒させたとき、その答えが明らかになるのかもしれない。


 ルフィの食べた「ゴムゴムの実」のもうひとつの名前が明らかになって以降、神の名を冠する実の存在がクローズアップされるようになった。それに今回は触れなかった海軍や世界政府側に、神の力を持つ能力者が潜んでいる可能性も十分ありうるだろう。

 悪魔の実と、神の関係についてはいまだ不確定な部分も多いが、作中では太陽の神以外にも、森の神や雨の神、大地の神などの存在が明らかになっているので、それらの能力を秘めた悪魔の実が存在することに期待したい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3