■パリの図書館にも日本の漫画がズラリ
最後に、書店ではないが、パリにある「フランス国立図書館リシュリュー館」を紹介したい。荷物検査さえ通過すれば誰でも無料で利用できる「楕円形閲覧室(la Salle Ovale)」が有名な図書館だ。外観も内観も美しく、写真を撮るためふらりと訪れる観光客も多い。
こちらの図書館には「バンドデシネ(Bande dessinée)」と呼ばれる、フランス語圏発の漫画のための棚が多く設けられている。そしてその中に、日本の漫画も並べられているのだ。
『鬼滅の刃』や『ドラゴンボール』、荒川弘さんの『鋼の錬金術師』、浦沢直樹さんの『本格科学冒険漫画 20世紀少年』、桜小路かのこさんの『BLACK BIRD』、ONEさんの『モブサイコ100』などなど……。そのラインナップの豊富さといったら、日本国内の図書館にも引けを取らないだろう。
おまけに閉架ではなく、開架に全巻置かれているケースが多いのも驚きである。これは、フランスでも漫画が文化や芸術として受け入れられていることのあらわれではないだろうか。
膨大な数の漫画が揃っているこちらの図書館は、漫画好きには機会があればぜひ訪れてみてほしい。もちろん中身はフランス語なので筆者は理解できなかったが、パラパラとページをめくるだけでも、あるいは本棚を眺めるだけでも楽しかった。
今回、こうして旅行の合間に書店や図書館を覗いてみただけでも、日本の漫画文化が海外でも広く受け入れられていることがひしひしと伝わってきた。日本に負けない漫画の品揃えを誇る大型書店、観光地に突然現れる漫画専門店、日本の漫画がずらりと並んだ公共図書館。漫画の存在が異国の地にも根付いていることを肌で感じられて、とても嬉しかった。
また筆者も訪れたフランスのコルマール(ストラスブールと同じくアルザス地方の街)では、2027年に日本の漫画とアニメ専門の博物館をオープンする計画も進んでいるらしい。今度機会があれば、そうした漫画関連の施設をめぐる旅もしてみたいところだ。


