
漫画作品の実写化において、ファンがもっとも注目する点のひとつが、やはり原作キャラクターの再現度だろう。とくに人間離れしたプロポーションを誇るキャラクターを三次元でいかに表現するかは、制作陣にとって大きな課題となる。
だが、そんななか、持ち前のプロポーションを存分に活かしてキャラクターを見事に再現し、原作ファンをも唸らせた女優たちも数多く存在する。抜群のスタイルでキャラクターを完璧に再現した女優たちと、その役柄について見ていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■妖しくも奔放に振舞うアヤカシの悪女…『ホリック xxxHOLiC』吉岡里帆
人間の心の闇に潜む「アヤカシ」が見える高校生が、対価と引き換えに人々の願いを叶える不思議な“ミセ”の女主人と出会い、奇怪な事件へと立ち向かっていく『xxxHOLiC』。大人気創作集団・CLAMPが手がけるファンタジー作品で、2022年には『ホリック xxxHOLiC』のタイトルで実写映画化された。
神木隆之介さん、柴咲コウさんといった実力派俳優が抜擢されるなか、持ち前のスタイルで視聴者を魅了したのが、女郎蜘蛛を演じた吉岡里帆さんである。
女郎蜘蛛は本作におけるキーキャラクターの一人で、己の欲を満たすためにアヤカシたちを操り、主人公たちを翻弄する悪女だ。
原作ではゴスロリ風の衣装を身に纏う女郎蜘蛛だが、映画版ではより大人びた妖しい色気を放つボンテージ風のファッションが採用された。かなり露出度が高いこの衣装は、これまで吉岡さんが演じてきた役柄とは異なる雰囲気の、なんとも大胆な装いとなっている。
当時、撮影を指揮していた蜷川実花監督にとっても挑戦的なキャスティングだったというが、吉岡さんはこの難役を見事にこなし、実写版ならではの新たな女郎蜘蛛像を作り上げることに成功した。
吉岡さんのプロポーションと衣装の相性の良さはもちろん、作中でしなやかに身体をくねらせる動作やポージングは、悪女ならではの危険な色気をこれでもかと表現していた。
かわいらしくも艶やかで、しかしどこか鋭く恐ろしい……そんな吉岡さんの演技は、多くの視聴者を圧倒したことだろう。
■主婦から殺人鬼へ…狡猾な宿敵『美食探偵 明智五郎』小池栄子
“美食家の探偵”という異色の主人公・明智五郎が、食の知識をふんだんに用いて数々の難事件を解き明かしていく『美食探偵 明智五郎』。東村アキコさんが描くこれまでとは一風変わったサスペンス漫画作品で、2020年には実写化を果たし、テレビドラマとして放送された。
主人公・明智を演じたのは、中村倫也さん。その彼と深い因縁で結ばれているのが、小池栄子さんが演じた殺人鬼「マグダラのマリア」だ。
彼女はもともと平凡な主婦だったのだが、とある事件をきっかけに殺人鬼へと変貌し、以降、明智のかかわる事件の裏で暗躍していくこととなる。
追跡から逃れつつ、殺意を抱く人々に知恵を授けて殺人を促すなど、狡猾な手口で明智たちを翻弄し続ける、まさに宿敵であった。
バラエティ番組での快活なイメージが強い小池さんだが、本作ではその姿を封印。殺人に快楽を見出す悪女を大人の色気たっぷりに表現している。
ドラマのなかで小池さんは、原作同様に肩を露出した黒いドレス姿やシックなワンピース、フォーマルなスーツと、さまざまな衣装を披露。いずれも小池さんのグラマラスなスタイルと絶妙にマッチしており、ただ佇んでいるだけでも観る者を魅了する美しさを放っていた。
もちろん美貌だけでなく、闇に染まった殺人鬼としての演技も圧巻。時折、底知れぬ異常さを感じさせてくれる小池さんの姿は必見だ。