
青山剛昌氏による『名探偵コナン』(小学館)は長年愛され続けるミステリー漫画で、毎年公開される劇場版も話題を呼んでいる。本作には数多くの魅力があるが、気になるのは主人公・江戸川コナン(工藤新一)と黒ずくめの組織との決着だ。
コナンは自身が新一であることを隠して活動しているが、その正体を知っている、もしくは知っている可能性が高い人物は意外にもたくさんいる。今回は、彼らにコナンの正体がどんな感じでバレたのか、具体的なエピソードを取り上げて振り返ってみよう。
※本記事には作品の内容を含みます
■まさかのバレ方をした服部平次
最初にコナンの正体がバレて驚いた相手といえば、やはり服部平次ではないだろうか。服部は「東の高校生探偵」である新一と並んで「西の高校生探偵」と呼ばれており、本人も新一をライバル視している。原作コミックス10巻収録の「外交官殺人事件」でコナンと初めて会った時は、コナンが偶然にも新一の姿に戻ってしまったため、正体がバレることはなかった。
しかし、2回目に顔を合わせた「ホームズ・フリーク殺人事件」(コミックス12巻、13巻収録)では、服部はコナンが新一なのではないかと疑い始める。そしてわざと事件が解けないフリをしたので、コナンは服部を麻酔銃で眠らせて事件を解決しようとした。
その途中、毛利小五郎が服部の頭を思い切り叩いてしまい、コナンは服部が起きてしまったのではないかとヒヤヒヤしながら事件を解決に導く。その後、案の定というべきか、服部は「おまえ工藤やろ?」とコナンの正体に迫った。
服部は小五郎の一撃で目を覚ましてしまい、寝たフリをしつつコナンが変声機で事件を解決する様子を側で見ていたのだ。コナンは必死にごまかそうとするも、そのことを毛利蘭にバラされそうになって仕方なく認める形となった。
そこからは服部、コナンの最強タッグが生まれ、力を合わせて解決した難事件も数多い。しかし、まさか出会って2回目で正体が完全にバレるとは思わなかったし、きっかけが小五郎に殴られたからなのがおもしろい。
■原作では該当シーンなし!?怪盗キッド
次は怪盗キッドこと黒羽快斗について見ていきたい。彼に関しては、コナンの正体にいつどのようにして気付いたのかは原作では描かれていない。
しかし、なんとなく「あの時にバレたのでは?」というシーンがあり、それが劇場版第3作『名探偵コナン 世紀末の魔術師』でコナンと阿笠博士が電話で会話をするシーンである。
その際、キッドは電話を盗聴しており、阿笠博士が「新一」と呼ぶのを聞いてコナンの正体に気付いた。だからこそ最後に、新一に変装して蘭に会うことで、彼女の「コナンは新一なのでは?」という疑いを晴らしたのだ。
そして、原作ではキッドがコナンの正体を知っている前提で話が進んでいる。コナンとキッドは敵同士であると同時に名コンビと呼ぶにふさわしいふたりだが、その関係が劇場版から始まっているのは意外だ。