■奔放な行動で嫌われたお嬢様

 『機動戦士ガンダムSEED』に登場するフレイ・アルスターも、悪女候補のひとりとして名前が挙がりやすい。彼女は大西洋連邦政府の高官ジョージ・アルスターの娘で、わがままなお嬢様を具現化したような人物だった。

 容姿端麗でカレッジではアイドル的な人気を誇った彼女。同時期にカレッジにいたキラ・ヤマトにとっても憧れの存在だったが、彼女の小悪魔的な行動が不安定だったキラの精神を悪化させることになる。

 父親の影響もあってか、彼女はとにかくコーディネイターへの偏見や差別意識が強かった。コーディネイターに対する憎しみや悪感情を一切隠さない彼女の発言にイラ立った人も多いはず。

 そして多くの視聴者が彼女を「悪女」と見なすことになった決定的な出来事が、キラと親が決めた婚約者であるサイ・アーガイルを天秤にかけた振る舞いである。

 キラと関係を持ったかと思えば、散々こき下ろしたサイのことを気にする場面も。そうかと思えば、実はキラのことが好きになっていたりと、あまりに情緒不安定すぎる彼女の言動にイライラさせられる場面が多い。

 しかし、最終的にフレイが乗った脱出艇はキラの目の前で攻撃を受けて撃沈する。最後、彼女は死の危険がある危険な場所でのオペレーター任務を自ら志願していた。それが彼女なりの贖罪の気持ちを示したようにも見え、悪女と断じるのははばかられるファンもいるかもしれない。


 このように悪女候補として名前が挙がりやすい人物を振り返ってみると、視聴者をイラつかせる態度をとったり、理解不能な行動をしたりと、過激な言動は必須条件といえそうだ。

 『機動戦士ガンダム00』のネーナ・トリニティのように、直接的に目を覆いたくなるような残虐行為をしたキャラクターも悪女候補ではあるが、かわいい容姿のためか一部のファンからは人気を集めている。満場一致の悪女認定というのは、意外と難しいのかもしれない。

 皆さんは「ガンダムの三大悪女」といえば、誰の顔を思い浮かべるだろうか。

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