映像クオリティがハンパない!歴代『ガンダム』圧巻の「神戦闘描写」 「これが昭和の作品…!?」の画像
「HG 1/144 ガンダムベース限定 νガンダムvsサザビー(宿命の対決セット)スペシャルコーティング」(BANDAI SPIRITS)(C)創通・サンライズ

 長く続いている『ガンダム』シリーズのアニメ作品の大きな魅力のひとつに、モビルスーツ(MS)同士の迫力ある戦闘シーンが挙げられる。2025年6月24日に最終回を迎えたテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』でも、圧巻の戦闘描写が話題になった。

 その最終回では、初代『機動戦士ガンダム』の第41話「光る宇宙」を再現したかのような戦闘シーンが描かれ、最新の技術で表現された戦闘場面はファンを大いに盛り上げた。

 とはいえ、これまで『ガンダム』シリーズにも、視聴者を大興奮させてきた見事な戦闘シーンがたくさんある。そこで今回は懐かしの宇宙世紀作品の中から、映像のすごさが語り継がれている「神戦闘シーン」をピックアップして振り返ってみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■昭和のアニメとは思えない圧巻の映像クオリティ

 宇宙世紀作品のファンにとって忘れられない戦闘シーンといえば、やはり劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で描かれた、アムロ・レイとシャア・アズナブルによる最終決戦ではないだろうか。

 アムロが乗るνガンダムと、シャアの乗るサザビーの壮絶なバトルは、見応えのあるシーンが満載だった。まず会敵した両機が互いのファンネルを放つのだが、機敏な動きを見せながらビームを放つ双方のファンネルの挙動は緻密かつ激しい。

 さらにサザビーが腹部に備える拡散メガ粒子砲がなぎ払うように放った光は美しく、アムロの代名詞でもある「置きバズーカ」をシールドで受けて回避したときのサザビーの挙動は滑らかで見事だった。

 また、あらかじめシャアがビームトマホークを投擲。直後に放ったメガ粒子砲をアムロが回避するのを読んだ上で、投げたビームトマホークがνガンダムのビームライフルを切断するシーンは何度見ても圧巻である。

 そして、その後のダミーバルーンを用いた奇襲からの壮絶な接近戦。激しい戦いの最中にもかかわらず、アムロは出くわした敵ギラ・ドーガに攻撃を加えつつライフルを奪うのも芸が細かい。

 アクシズでの生身での戦いを経て、再びMSに戻ってからは、残されたサーベルすら失い、壮絶な格闘戦に突入する。傑出した二人のニュータイプが死力を尽くして戦う場面の作画は、とても1988年(昭和63年)の公開映画とは思えないハイクオリティで、何度見ても飽きない戦闘シーンだ。

■血湧き肉躍る…リアリティあふれる泥臭い決戦

 OVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』は、よりリアルな戦争描写が魅力の作品。ニュータイプが活躍するようなスタイリッシュな戦闘ではなく、どちらかといえば泥臭い地上戦がメインである。

 そんな作品で描かれた戦闘シーンの中でも特筆すべき場面が、第10話でジオンのノリス・パッカードが友軍機の離脱時間を稼ぐためにグフカスタムで単騎出撃したシーン。

 それを迎え撃つのが主人公シロー・アマダを含む、連邦の小隊。出撃した機体の数は1対6と、圧倒的にノリス側が不利な状況である。

 決死の覚悟で臨むノリスは、仲間の脱出の妨げになる狙撃能力を持つ2機の量産型ガンタンクをあっという間に撃破。吹き出したオイルが、まるで返り血のようにも見えるリアルで生々しい描写が目を引く。

 残ったガンタンクを守るため、シローは乗機「ガンダムEz8」でノリスのグフ・カスタムに肉薄。しかし、熟練のエースパイロットのノリスの技量に圧倒され、電磁ムチ「ヒート・ワイヤー」でEz8は機能停止に追い込まれる。

 グフにつかまったEz8は人質のようなかたちになるが、シローの「俺は生きたい」という言葉に呼応するように機体が再始動。そしてシローは動かなくなったEz8の左腕を自ら引きちぎると、それを武器にしてノリスのグフに痛烈な一撃を加える。

 とてもガンダム作品の主人公機とは思えない泥臭い戦闘シーンではあるが、機体の重々しい動作や、周囲の環境を利用するノリスの戦闘描写にはリアリティが感じられた。

 そして最後はシローのEz8がグフカスタムを真っ二つにするのだが、ノリスは本来の目的だったガンタンクの破壊に成功しているという結末も見事だった。

 己の命を犠牲にしながらも目的を達成したノリスに、シローが敗北を認めるという展開も胸熱。リアルな戦闘描写だけでなく、明確な勝者などいないという戦場のリアルが視聴者の胸を打った神戦闘シーンだ。

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