劇的進化にワクワク!人気漫画「短時間での能力アップ」による“まさかの大逆転シーン”  『ドラゴンボール』や『BLEACH』にも… の画像
『DRAGON BALL』 #12 [DVD] ©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 バトル漫画にはしばしば規格外の強キャラが登場し、主人公たちに圧倒的な力を見せて絶望を味わわせる。そこからどう這い上がって逆転するのかが見どころとなるが、時には鍛える時間の余裕があまりないこともある。

 修行をしていては手遅れになってしまう、しかし今のままでは絶対に勝てない……。そんな危機的状況を打開するため、数々の漫画で描かれてきたのが「短時間での能力アップ」のシーンである。劇的なキャラの変貌によって、その後の展開が作品の大きなターニングポイントとなり、読者の記憶に残るものとなったケースも少なくない。

 今回は、そんな「劇的な能力アップの瞬間」を振り返っていこう。

※本記事には各作品の内容を含みます

■命の危機と隣り合わせ…『ドラゴンボール』超神水

 鳥山明さんによる『ドラゴンボール』は、主人公・孫悟空が修行をした末に強い敵キャラに勝つ! という流れが定番だった。それが初めて通用しなかった相手が、ピッコロ大魔王だ。

 ピッコロ大魔王は封印技の「魔封波」以外では、誰も太刀打ちできないと思えるほどの強敵である。悟空がどんなに頑張っても、彼の前では雑魚キャラ扱い。あっさりと倒され、どうすることもできない状況だったので、先の展開が全く読めなかった。

 このピンチを乗り越える鍵となったのが、カリン塔にある「超神水」である。これは、飲むと潜在能力を引き出す魔法の薬のようなものだ。しかし、毒でもあるので耐えられずに死んでしまう可能性もあった。過去に14人挑戦したが、全員死んでしまったという。そのため実例がない。

 そんな危険な超神水を飲んだ悟空は、悶え苦しみながらも必死に耐えて生き残った。その後、飛躍的にパワーアップすると、ピッコロ大魔王と互角に渡り合う。最後にピッコロ大魔王の胸部を貫いて勝ったシーンは印象的で、何年経っても忘れられない……。

 もし、悟空が覚悟を決めて超神水を飲まなかったら、ピッコロによって世界は支配されてしまっていたに違いない。「ながいあいだ あいつを ほっとけねえよ…」と言った悟空の判断は、正しいものだったといえるだろう。

■あっという間に逆転!?『BLEACH』斬魄刀との対話

 久保帯人さんによる『BLEACH』の主人公・黒崎一護も修行無しの能力アップを遂げている。それが尸魂界で護廷十三隊の十一番隊隊長・更木剣八と戦った時のことだ。

 当時の一護は死神としての経験が浅く、自身の斬魄刀・斬月をまだうまく使いこなせない未熟な状態だった。そんな時に剣八と戦闘をすることになったが、相手は戦闘をこよなく愛する化物。そんな相手に一護は歯が立たず、刀を折られ胸を貫かれて崩れ落ちてしまう。

 しかし、そんな時に斬月が精神世界で一護に語りかけ、斬魄刀との信頼関係について教えてくれる。いかに斬魄刀を理解して、力を引き出せるか……それを学んだ一護はまさかの復活を遂げる。折れた斬魄刀は元に戻り、傷口が塞がり、霊圧が跳ね上がって、剣八と対等に戦える力を得たのだ。

 一方の剣八は斬魄刀と信頼関係を築けておらず、その差が勝敗を分ける結果となった。一護と斬月が協力して戦うことで、無敵の剣八をどうにか倒すのに成功したのだ。これは一護が敗れてすぐの出来事だったが、こんなまさかの大逆転が果たされるとは思いもしなかった。

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