1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!
■エポック社のサッカー盤に夢中!
小学生の頃に遊んだゲームといえば前回ご紹介したボードゲームのほかに、スポーツを題材にしたボードゲームの“スポーツゲーム”もあります。
僕が遊んでいたのがエポック社のサッカーゲーム。レバーのようなグリップがボードの横から出ていて、そのグリップを動かして縦スクロールやクルクル回す動きでピッチに立ってる選手を操って戦うゲーム。
当時はサッカーとアイスホッケーがあって、僕がやってたのはサッカーゲーム。小3~4ぐらいからサッカーが盛んになってきたこともあって、ゲームでもサッカーをやるようになりました。
当時、僕らが小学生時代に遊んでたサッカーゲームは、高いやつと安いやつの2種類があって、高いほうは選手の人形が3Dで立体的になってるけど、安いほうだと人形がプラスチックのペラッペラの板でできてる。みんな七三分けみたいな髪型して顔も一緒で、キーパーだけちょっと体形が違ったけど、ユニフォームも変な赤と水色の2チームだけ。
あまりにダサいから上から色塗ってカッコよくして遊んでました。そのあとに“キャプテン翼バージョン”とか、Jリーグが開幕した時には“Jリーグバージョン”とか、人形がそれふうになってるのも出てきて、ちょっとカッコよくなってましたね。
サッカーゲームにはコツがあって、必ずゴールを決められるやり方があるんです。方法は単純明快、サイドからゴール前にクロスを上げて真ん中の選手を突っ込ませてシュートして入れるだけ。
慌てなくてもゆっくりボールを持って上がっていけばいいんです。ゆっくり選手を回転させても、構造上、相手はいくらボールを獲ろうと動かしても届かないようになってるから、こっちがよっぽどミスしない限り、ボールを獲られることはないんです。
しかも相手が焦って選手を回せば回すだけ簡単に抜けるから、センタリングして真ん中のラインにいるフォワードの人形でポンとシュートすれば入ります。たまに相手のキーパーが弾いたりすることもありますけど、ほぼこのパターンで勝てます。ちなみに僕は強かったですよ。この作戦で負けたことなかったですから。
サッカーゲームやってた頃には、もうファミコンも出てました。でもファミコンは2人しかできないから、ファミコン待ちしてる間に残りのやつらでサッカーゲームやってる感じでした。


