■実は日本が先だった!実写版『スパイダーマン』

 レッドタイガーとほぼ同時期にやってたのが『スパイダーマン』。スパイダーマンっていってもハリウッド映画みたいにかっこいいやつじゃなくて、テレビドラマ用に作った日本製の実写版スパイダーマン。本家のアメリカはまだその頃アニメしかなかったから、実は実写のスパイダーマンは日本のほうが早いんです。

 主人公(プロオートレーサーの山城拓也)は、スパイダー星からやって来たスパイダー星人の王(敵の罠に嵌ってのちに死亡)からクモの能力を与えられてスパイダーマンになり、敵の鉄十字団と戦うっていう設定。

 左腕にスパイダーマンの能力が収められてる“スパイダーブレスレット”をつけてて、スパイダーマンになるときはそのブレスレットから特殊スーツが出てきて一瞬で変身する。トレードマークのクモの糸も手首から出るわけじゃなくて、ブレスレットから出てくる。

 日本版とハリウッド版の何が一番違うかっていうと、スパイダーマンが巨大ロボットに乗り込んで戦うところ。敵が巨大化すると、スパイダーマンが“マーベラー”っていう宇宙戦闘艦を呼んで乗り込み、 「マーベラー、チェンジ! レオパルドン」って決めゼリフをコールすると巨大ロボットになって戦う。

 「なんでスパイダーマンがロボットに乗って戦うの!?」って思うだろうけど、当時は巨大ロボットに乗って戦うのが戦隊ヒーローの定番。戦隊ヒーローのセオリー通りの設定にしたんでしょうね。

 レッドタイガーやスパイダーマンと同時期に放送されてた『宇宙からのメッセージ銀河大戦』。主人公はガバナス帝国に家族を殺された惑星アナリス出身のハヤトと、ハヤトを助ける輸送船の船長のリュウ。

 設定からしてスターウォーズのルークとハン・ソロそっくりなうえに、乗ってる宇宙船がもろにスターウォーズっぽい。しかもその宇宙船に一緒に乗ってるサル(猿人バルー)はスターウォーズのチューバッカそのもの。誰がどう見てもスターウォーズのパクリで、当時から“日本版スターウォーズ”って言われてました。

 主人公のハヤト役が真田広之さんでJAC(ジャパンアクションクラブ)がアクションを担当して、忍者っぽい要素も入ってたり、本格的でかっこよかった。子どもたちにも人気があって、当時、僕が読んでた雑誌『たのしい幼稚園』の表紙になってたのを覚えてます。

 

【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。

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