
1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!
■幼稚園で夢中になった“レッドタイガー”
幼稚園の頃、ヒーローショーを観に行ったのが“レッドタイガー”(『UFO大戦争戦え! レッドタイガー』)。当時、おかあが後楽園ゆうえんちに連れていってくれて、“仮面ライダーショー”や“ゴレンジャーショー”もよく観に行きました。
レッドタイガーの衣装は、ちょっとアメフト要素が入っていて、マスクもアメフトのヘルメットみたいな感じ。目のところは僕の好きな“ゴーグル”タイプだけど、口のところって、中の人の口元と顎が見えてる。
レッドタイガーは主人公の家族(天野一家)がピンチになると、どこからか現れてきて、敵に襲われた家族を助ける“謎のヒーロー”。実は子どもの頃(ドラマの設定では15年前)に宇宙人に連れ去られた天野兄弟の長男・銀河がレッドタイガーの正体ってことが最後のほうにわかるけど、最後まで素顔(銀河)は見せないまま終わるっていうストーリーでした。
レッドタイガーが登場するときに決まって口にするセリフが、
『弱き者、正しき者の味方、レッドタイガー!!』
遠山の金さんとかの時代劇でよくある、悪人の前で見得を切って決めゼリフを言うみたいな感じで、当時、けっこうこの決めゼリフにハマっていました。
スーツは白ベースに赤のラインが入ったデザインなのが、戦ってるうちに怒りが頂点に達すると、赤ベースに白ラインのデザインに反転する。
『レッド変身スパーク!』
この掛け声とともに変身してスーツの色が赤白逆転するとパワーアップする設定。しかも変身するときにはいちいちナレーションが入って盛り上げるんです。
『レッドタイガーは怒りが頂点に達したときに赤にチェンジするのだ』
そしていつも敵と戦うのは波打ち際の岩場。当時はなんの疑いもなく観てたけど、いま思えば予算がなかったんでしょうね。それで毎回、誰もいない岩場で戦うシーンを撮ってたんだと思います。観てた当時はそんなこと気にもせずに、「この岩場どこにあるんだろう?」ってずっと思ってました。行きたかったもんな、あの岩場に。
おかあとスーパーに買い物に行くと、レッドタイガーのお菓子を買ってもらいました。グッズも持ってたし、当時の子どもたちにはけっこう人気ありましたね。