■ダサさと個性が同居した『忍者キャプター』

 同時期にテレビ東京(当時の東京12チャンネル)で放送されてたのが『忍者キャプター』。

 忍者7人組のヒーローで、変身するけどそれはあくまでも“現代版の忍者装束”という設定。変身したあとの顔(マスク)はフルフェイスマスクみたいで、全面スモークがかった黒いゴーグル(シールド)。デンジマンのゴーグルマスクもかっこよかったけど、忍者キャプターのゴーグルも好きでした。マスク以外はダサかったけど。

 忍者キャプターは衣装に加えて何がダサかったかっていうとネーミング。

 「火忍(かにん)キャプター7」「風忍(かぜにん)キャプター6」「金忍(かねにん)キャプター5」「土忍(つちにん)キャプター4」「花忍(はなにん)キャプター3」「水忍(みずにん)キャプター2」「雷忍(らいにん)キャプター1」

 それぞれの武器(忍術)にちなんだ名前がついてたけど、「 “かぜにん”ってナニ!?」「 “つちにん”って?」子どもながらにネーミングがダサいと思ったのを覚えてます。

 メンバーそれぞれシンボルカラーの衣装を着て、頭にシンボルマークが付いてたけど、そのマークがまたダサい。

 火忍(赤)のシンボルマークは“火の玉”で、頭に火の玉マークがついてる。風忍(緑)は“つむじ風”、金忍(黄)は“歯車”、土忍(茶)は“山盛りの土”、花忍(ピンク)はチューリップみたいな“花”、水忍(青)は“水滴”、雷忍(橙)は“稲妻”。そのシンボルマークがみんなダサい。

 メンバーの年齢も、7人中6人は“15歳〜23歳”の設定なのに、なぜか雷忍だけ“45歳”っていう設定。ほかのメンバーは自分のことを「俺」とか「私」とか呼ぶのに、雷忍だけ「ワシ」でおじさん丸出しのキャラクター。

 ほかにも太ってるキャラ(土忍)がいたり、女の子(花忍)がいたり、7人のキャラ付けができてて、ダサいわりにはけっこう人気で、忍者キャプターのソフビもありました。

 当時僕はまだ4歳で幼稚園だったから、細かいストーリーとかは全然覚えてないけど、毎週観てたのは覚えてます。

 

【プロフィール】
土田晃之(つちだ てるゆき)
1972年9月1日生まれ、東京都練馬区出身・埼玉県育ちのお笑いタレント、司会者、コメンテーター。太田プロダクション所属。1991年にお笑いコンビ「U-turn」としてデビューし、解散後はピン芸人としてバラエティ番組や情報番組で幅広く活躍。ガンダムやサッカー、家電など多彩な知識を持ち、親しみやすいトークで人気を集めている。『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』が、2025年8月20日より双葉社から発売。

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