
1980年代といえば、テレビ、アニメ、ゲーム、おもちゃなど、数々のブームが巻き起こったアツい時代。そんな熱狂の真っ只中を生きたのが、昭和47年(1972年)生まれの芸人・土田晃之。“華の47年組”の一人として、著書『僕たちが愛した昭和カルチャー回顧録』を上梓した彼が、子どもの頃に堪能した「昭和カルチャー」を独自の視点で語り尽くします!
■スーパー戦隊シリーズのはじまり
子どもの頃はウルトラマンシリーズ、仮面ライダーシリーズのほかに、スーパー戦隊シリーズも観てました。スーパー戦隊シリーズの第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』が始まったのが、僕がまだ3歳の頃。まだ幼稚園に通う前なので、同世代で、リアルタイムで観て覚えてる人は、ほとんどいないと思います。もちろん僕も初代のゴレンジャーはリアルタイムで観てません。
第2作の『ジャッカー電撃隊』は視聴率があんまりよくなくて、けっこうすぐに終わっちゃって、次に始まったのが『バトルフィーバーJ』。
そこに出てくる戦隊ヒーローの“バトルフィーバー隊”がすごくて、ワールドワイドなメンバー構成。真ん中にいるのが「バトルジャパン」、あとは「バトルフランス」「バトルケニア」「ミスアメリカ」、それに「バトルコサック」。
ジャパン、フランス、ケニア、アメリカって、みんな国の名前なのに、なぜか1人だけ「コサック」。“ユーラシア代表の戦士”っていう設定だったけど、当時東西冷戦の真っただ中で「ソ連」って名前が使えなかったっていう大人の事情があったのかもしれないですね。
バトルコサックは名前の通り、コサックダンスして戦ってました。ダンスしながら周りの敵に連続で足払いをキメるっていう“コサック回転キック”が武器。それを子どもたちが真似してやろうとするけどできない。コサックダンスみたいにしゃがんで足を出そうとすると、どうしても転んじゃう。当時の子どもたちはバトルコサックの真似して、そこら中で転んでました。
■変身しないヒーローとして始まった『アクマイザー3』
『アクマイザー3』っていう3人組のヒーローもいました。アクマイザー3は当初(第1クール)は“変身しないヒーロー”で、普段からヒーローのまんまの姿で出てくる。でも話の途中(第2クール)から魔法力によって人間に変身できるようになるっていう新しいパターンでした。
なんでスタート当初は変身しなかったかというと、制作予算が少なくて節約するため。変身する前の人間の姿を演じる俳優を出すとそのぶんのギャラがかかるから、変身しないという。これも大人の事情があったらしいです。それにしても、いくら予算がないからって“そこ削る!?”っていう。
そのあとが『超神ビビューン』。これはアクマイザー3の続編で“アクマイザー3の魂を受け継いでいる”っていう設定の3人組ヒーロー。違うところはアクマイザー3は最初は変身しなかったけど、超神ビビューンは最初から変身ヒーローだったこと。
どうやら“変身しないヒーロー”は子どもたちにウケが悪かったから、ビビューンは続編だけど最初から変身ヒーローにしたみたいです。