■黒ひげは悪魔の実の真実を知っていたのか?

 現在の四皇の一角である“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチは、かつて白ひげ海賊団の一船員として長年を過ごしていた。彼が白ひげの船に乗り続けた理由は、「ヤミヤミの実」を手に入れるためである。

 悪魔の実の中でも、最も凶悪と謳われる自然(ロギア)系の能力であり、白ひげ海賊団のような巨大な組織に属していれば、ヤミヤミの実を手にする可能性が高いと踏んでいたのだ。そして実際に4番隊隊長のサッチがヤミヤミの実を手に入れ、黒ひげは彼を殺害して奪い取った。

 そしてヤミヤミの能力を手に入れた黒ひげは、エースと戦った際に「この能力はおれを選んだんだよ」と発言した。このセリフも五老星の「動物(ゾオン)系の実には意思が宿る」とつながる内容にも見える。

 五老星しか知り得ないような情報を、なぜ黒ひげが知っていたのかは謎ではあるが、彼は歴史研究を趣味にしているため、何らかの過去の情報から悪魔の実に宿る「何か」の存在に気づいたのかもしれない。

 ただし、黒ひげが食べた「ヤミヤミの実」は自然系の悪魔の実で動物系ではない。「意思が宿る」のは動物系に限らないのか、あるいは「ヤミヤミの実」は実は自然系ではないのかもしれない。ルフィの「ゴムゴムの実」のように別の名を隠しているなら、黒ひげもまた運命に導かれるように闇の力を手にしたのだろうか。


 『ワンピース』の世界で最初期から重要なアイテムとして登場していた悪魔の実。コミックスは112巻(2025年8月現在)にまで至り、その長い物語の中で、謎だらけの悪魔の実にまつわる意味深な発言はいくつもあった。そして、ついに世界政府のトップによる「意思が宿る」という発言も飛び出し、さらなる重要な真実が明かされる日は近いはずだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3