
2025年10月30日に発売されるHD-2D版『ドラゴンクエストI&II』(スクウェア・エニックス)。7月31日配信の「ニンテンドーダイレクト(Nintendo Direct)」および、スクウェア・エニックスの公式サイトにて、最新のトレーラームービーが解禁された。
さらにその翌日の8月1日には、スクウェア・エニックスの公式YouTubeチャンネルにて、「【緊急配信】"あの新作ゲーム"を世界最速実況プレイ!【大魔王ゾーマ】」と題し、HD-2D版『ドラゴンクエストI&II』をプレイする配信が行われた。
リメイクされた『ドラクエ2』の序盤をプレイする実況プレイということで、そこで判明した新事実も。これまで謎に包まれていたローレシアの王子が冒険に出るまでの部分もしっかり描かれたので、この配信で判明した気になる内容を紹介していこう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■滅びゆく王国の悲しきエピソード
まず旧作の『ドラクエ2』プレイヤーが驚いたのが、物語の冒頭にあった「ムーンブルク城」がハーゴンの軍勢に攻め滅ぼされる場面についての描写だろう。
ファミコン版では崩壊の描写すらなく、スーパーファミコンのリメイク版で初めて描写された際は、ムーンブルク王と王女の前に突然魔物の軍勢が攻めてきて、王女は地下に隠れた後、王は呪文で応戦するも戦死。その後、ムーンブルクの王女は魔物たちに見つかって、犬の姿になる呪いをかけられた。
しかし、HD-2D版『ドラクエ2』では新たなシーンが追加されている。ムーンブルク王は若い頃、あらゆる呪文を使いこなす魔法の達人だったが、今は病に冒されているという。
ムーンブルク王が使う呪文のすごさを、娘の王女が「攻撃、回復、変化の呪文まで、お父さまは自由自在ですもの」と語るシーンもあった。
そしてその後、城内に侵攻してきた「ハーゴン」の手下のガーゴイルたちは、王や王女の顔を知っており、確実にしとめるようハーゴンから命じられていることが判明する。
ムーンブルク王はすさまじい呪文で魔物を撃退していくが敵の数が多い。「わしらの顔まで把握しているとは……仕方あるまい」とつぶやくと娘に別れの言葉を告げ、地下へと連れて行く。そこで何らかの光があふれて娘だけを逃がすようなシーンがあった。
おそらくムーンブルク王の呪文で娘の王女を逃がしたものと思われるが、ここで気になるのは「ハーゴンの手勢は、王や王女の顔を知っている」ということ。つまり、そのまま彼女を城外に逃がしただけでは、すぐに捕らえられてしまう可能性が高い。
しかもハーゴンの手勢は、王と王女を確実にしとめるよう命じられていたことから、ここで殺さないという選択肢は考えにくい。
そこで関連しそうなヒントが、先の王女の「攻撃、回復、変化の呪文まで、お父さまは自由自在ですもの」と語った場面だ。わざわざ変化の呪文にまで言及したのは、敵に顔を知られている王女の姿を変えて逃がすための伏線のようにも聞こえないだろうか。
旧作の『ドラクエ2』では、ハーゴンの手下につかまった王女は呪いをかけられて犬の姿にされた。しかし、今作ではハーゴンは王女を確実にしとめるように命じたことから、わざわざ犬になる呪いをかけるような回りくどいことをするとも思えない。
そこで考えられるのが、地下に王女をつれていったムーンブルク王が、得意の変化の呪文で彼女を犬の姿に変え、ハーゴンの手勢の目をごまかしたという可能性だ。
それならロトの血を引くムーンブルクの王女が殺されもせず、犬の姿でムーンペタにいたことと整合性がとれるのだが、はたして真相はどうなのだろうか。
■いざ旅立ちの時! あの『ドラクエ1』を代表するアイテムが初登場?
旧作の『ドラクエ2』では、瀕死の兵士がローレシア王にムーンブルクが襲撃されたことを伝えるところから物語が始まる。
そしてローレシアの王子は、王様から同じロトの血を分けた仲間と力を合わせ、邪悪なるものを滅ぼしてくるよう命じられて送り出されるのだ。この王子が旅立つまでの経緯もHD-2D版では、よりていねいに描かれている。
HD-2D版『ドラクエ2』のローレシアでも、ムーンブルクからの瀕死の兵士がやってきて危機を伝えられる。しかしローレシア王はいきなり世界を救う旅に息子を送り出すのではなく、かつてハーゴンによって滅ぼされた「ロンダルキア」という国の話を伝え、ムーンブルクでも同様の悲劇が起こった可能性を示唆するのだ。
そして、王自身は万が一のことを考えてローレシアの守りを固め、王子にはムーンブルクで起こったことをサマルトリアに伝え、実際ムーンブルクにも赴いて何が起こったのか自分の目で確かめるように命じる。
また旅立ちに際して、ローレシア王は「おうじょのあい」という首飾りを王子に授ける。これは『ドラクエ1』で捕らわれたローラ姫を救出したあと、主人公が受け取るアイテム。『ドラクエ1』のときは次のレベルまでの必要経験値や現在地の情報などを教えてくれる便利な効果があったが、『ドラクエ2』では初登場のアイテムだけに、どのような効果があるのかも気になるところだ。