■敵国の中核を担うキーマン「春申君」&「慶舎」には、重厚さと意外性を

 「合従軍編」では、秦を取り囲む六国の精鋭たちが一堂に会し、それぞれが強烈な個性と存在感を発揮する。中でもキーパーソンとなるのが、楚の春申君と趙の慶舎の二人である。

 春申君は“戦国四君”のひとりにして、大国・楚の宰相。合従軍で総大将を任されるほどの大物であり、実写最新作でも圧倒的な存在感を放つことが予想される。その春申君役の有力候補として名前が挙がっているのが、斎藤工さんと及川光博さんだ。

 斎藤さんは「低音ボイスと妖艶さが魅力」「風格がある」と評価され、底知れない春申君像を巧みに演じられる役者に違いない。対して及川さんには「冷笑と知性」「李牧と並ぶ品格がある」といった声が寄せられ、合従軍を率いるまさに“黒幕”像にぴったりだ。

 一方、慶舎は李牧に代わり戦場の指揮を執る趙を代表する天才将軍。その静けさの奥に潜む恐ろしさを体現できる俳優として、ディーン・フジオカさん、そして意外にも髙石あかりさんの名前が挙がっていた。

 ディーンさんには、「言葉数が少なくても感情を伝えられる芝居」「内に秘めた恐ろしさを表現できる」といった評価があり、“沈黙の狩人”の異名を持つ慶舎の不気味さを静かに際立たせる演技が期待される。

 一方、髙石さんは2025年後期のNHK朝ドラ『ばけばけ』でヒロインに抜擢された今注目の若手女優だ。たしかに、原作漫画の慶舎には性別すら掴ませない不気味さが漂っており、女性キャストを起用するという驚きのキャスティングが実現すれば、実写『キングダム』に新たな風を吹き込むことが期待される。

 

 映画『キングダム』がいよいよ「合従軍編」へと突入すれば、それは単なるスケールアップにとどまらず、日本映画史に残る超大作になるはずである。

 今回取り上げた新キャラクターたちは、いずれも物語の核を担うキーパーソンばかりであり、誰が演じるかによってキャラクターの印象はもちろん、作品全体のトーンや世界観、さらにはファンの熱量までもが大きく変わってくるだろう。

 だからこそ、キャスティング予想はファンにとっての大きな楽しみのひとつ。ぜひ、あなたの予想も聞かせてほしい。

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