『ケンガンアシュラ』×『刃牙』、『ドラゴンボール』×『ONE PIECE』…まさかの共演がアツ過ぎる!人気少年漫画同士の「夢のコラボ」の画像
©板垣恵介(秋田書店)/範馬刃牙製作委員会 ©2023 サンドロビッチ・ヤバ子, だろめおん, 小学館/拳願会2

 親交が深い人気漫画家同士は、時に「夢のコラボ」を実現させることがある。それぞれの作品に他作品のキャラを登場させたり、強キャラ同士をバトルあるいは共闘させたり……“ここでしか見られない”まさかの共演は、ファンにとってはたまらないものだ。

 本来であれば絡むはずのないキャラの交流によって、新たな可能性が見えることもあれば、作者同士の関係性がうかがえる展開が繰り広げられることもある。そんな人気作品同士の「まさかの共演」を振り返っていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

■夢のバトルが続々実現!?

 まずは、格闘漫画として絶大な人気を誇る『刃牙』シリーズと『ケンガンアシュラ』。ともに登場人物の規格外の肉体や強烈な戦闘描写が見どころの作品で、どちらも好きだというファンも多いことだろう。この2作のコラボアニメが、Netflixにて『範馬刃牙VSケンガンアシュラ』として制作され、猛者たちの壮絶なぶつかり合いが描かれた。

 本作のキャッチコピーは「“ヤバい奴”vs“ヤバい奴”」だ。どちらの作品にも個性的で強烈、かつ血気盛んなキャラクターが揃っているだけあって、当然、おとなしく交流するだけで済むはずがない。

 第一試合「鎧塚サーパインvs花山薫」では純粋なパワーとパワーのぶつかり合い、第二試合「呉雷庵vsジャック・ハンマー」では手段を選ばぬ勝利への執念が描かれる。もちろん、主人公同士の戦いである第三試合「十鬼蛇王馬vs範馬刃牙」は最大の見どころだ。

 王馬と刃牙の戦いは、始まった瞬間から手に汗握る展開の連続である。なんと試合開始直後、刃牙の「0.5秒の無意識」を利用した攻撃で、王馬がダウンしてしまうのだ。常人では反応できない攻撃を繰り出し、圧倒的な優位に立つ刃牙。

 その後も刃牙は、鞭打や消力(シャオリー)、ゴキブリダッシュといった超高等技術を繰り出すが、王馬も負けじと二虎流の技で対応する。格闘の天才同士による最高峰の戦いは一瞬も目が離せず、まさに「夢の対決」と呼ぶにふさわしい展開だった。 

 さらに、どんな結末が待っているのか予想がつかない中、範馬勇次郎と黒木玄斎が乱入。それぞれ作中最強の呼び声高い2人が対峙する場面には、思わずワクワクしてしまった。

■「らしさ全開」の師弟の物語

 2000~10年代の『週刊少年ジャンプ』の中でも、ギャグとシリアスを融合させる作風でファンを獲得した『銀魂』と『SKET DANCE』。どこか似た雰囲気を感じさせる2作品だが、それも当然の話だ。

 実は『SKET DANCE』の作者・篠原健太さんは、『銀魂』の作者・空知英秋さんのもとでアシスタントをしていた経験がある。つまり、2人は「師弟関係」にあるのだ。そんな2人のコラボ漫画が『週刊少年ジャンプ』2011年18号に掲載されたことは、それだけで感慨深いものがあった。

 『銀魂』と『SKET DANCE』のコラボは、各作品にそれぞれのキャラクターが登場し、ゆるい雰囲気で交流するというものである。キャラの会話をメインにドタバタコメディが繰り広げられるさまは、両作品の日常回の雰囲気そのままであり、思わずほっこりしてしまう。

 『銀魂』では、初っ端から銀さんが作風が似ている『SKET DANCE』に対する対抗心をむき出しにしていた。「完全に俺達のポジションとりに来てます」と連載当時のジャンプ内での立ち位置を持ち出し、デリケートな部分に土足で踏み込むあたりは、『銀魂』ならではの展開である。

 一方、『SKET DANCE』では、ボッスンによって「弟子」から「師匠」への思いが語られている。ボッスンが銀さんに「オレ ずっと アンタの背中 見てんだからな!!!」と語るシーンには、篠原さんの空知さんに対する敬愛の念がにじみ出ていた。

 アシスタントをやめる時、「次は新年会で会いましょう」と空知さんから激励されたというエピソードが語られているのもアツい。さらに、続く“その次の日もう飲んだ”、“空知先生は新年会をよく欠席するから結局会っていない”というオチにもクスリとさせられる。こんな風にボッスンの口を借りてエピソードを披露できるのも、『銀魂』と『SKET DANCE』がメタ的な要素を常としていたからこそだろう。 

 お互いの作風を批判したり、キャラ同士が罵りあったりしつつ、ハートフルなラストへと回収される展開は、まさに「らしさ全開」。単なるコラボではなく、作者同士の「師弟の物語」も垣間見える、両作品のファンにとって忘れられないコラボである。

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