MSにも「じゃないほう」が…!? 歴代『ガンダム』名称は似てるけど「実は全く別物」な機体たち サイコザクにフリーダム、サイコドーガも…の画像
「MG 1/100 高機動型ザク"サイコ・ザク" Ver.Ka(GUNDAM THUNDERBOLT版)」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 テレビアニメ『機動戦士ガンダム』は1979年から放映が開始され、45年が経過しながらも、いまだに新作が作られ続けている人気シリーズだ。

 これまで『ガンダム』シリーズに登場したキャラクターやメカは膨大な数になっており、なおも広がり続けている。とくにモビルスーツ(MS)やモビルアーマー(MA)といったメカは、スピンオフや外伝作品が生まれるたびに派生機などが登場。相当なファンであっても、すべてを把握するのは難しいほどの数が存在している。

 また中には同じ名称ながら媒体によって設定が異なったり、同じ形式番号を持ちながら中身は別の機体だったりするケースもある。

 そこで今回は名称が似ていながら、実は設定が全然異なっている「ややこしい機体」を取り上げてみたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■同じ「サイコ」を冠するザクたち

 ガンダム作品において、その世界観を圧倒的に広げたひとつの要因とも言えるメカニックデザイン企画「モビルスーツバリエーション(MSV)」。アニメ本編に登場したメカの派生機体などを設定する企画で、そのスタートは「ザク」のバリエーションとされている。そのためザクにはさまざまな派生機が存在した。

 そんなザクのバリエーションの中で、かなり似た名前を持っているのが「サイコ・ザク」と「サイコミュ試験用ザク」だ。

 どちらも「サイコ」を名に冠したザクであり、その名前からニュータイプにまつわる技術「サイコミュ」を連想させるが、両機の中身はまったくの別物となっている。

 太田垣康男氏によるコミック、およびアニメ作品『機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場した「サイコ・ザク」は通称であり、正式名称を「リユース・サイコ(P)・デバイス装備高機動型ザク」という。

 この「リユース・P(サイコ)・デバイス」はパイロットの四肢の義肢を通じ、脳の思考によってモビルスーツを操作する技術のこと。これにより、モビルスーツの操作に不慣れな者でも自分の手足の延長のように直感的に機体を動かすことができる。

 いわゆるサイコミュはニュータイプが脳から発する感応波を増幅して機械に伝達するシステムなので、リユース・P・デバイスを搭載したサイコ・ザクはそれとは異なる。

 もう一方の、MSVや外伝コミック、ゲームなどに登場する「サイコミュ試験用ザク」は、ザクIIをベースにしたニュータイプ専用の試作モビルスーツだ。

 こちらはサイコミュと有線式のメガ粒子砲の実験機として開発され、資料によってはこの機体を元に「ジオング」が生まれたとも言われている。

 サイコミュをモビルスーツに搭載する「ビショップ計画」により開発されたこともあって、サイコミュ試験用ザク自体を「ビショップ」の愛称で呼ぶことも多い。

 なお同機の2号機として、高速戦闘に対応すべく改修された「サイコミュ高機動試験用ザク」もあるので混乱は必至だ。

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