
少年漫画のバトルでは、技や能力の使い方によって戦いの展開が大きく変わってしまうことがある。また必ずしも、強い能力や技を持っているキャラが圧倒的に有利になるというわけではないから面白い。
しかも中には、一見地味なのに対処法が分からないと致命傷になってしまうものや、別の使い方をされていたら無理ゲーなのでは? と思えるようなものもある。
そこで今回は、対処法を知らないと窮地に陥ってしまう、少年漫画に出てくる“地味にヤバい”技・能力を紹介したい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■『HUNTER×HUNTER』ヒルを体内でふ化
まず紹介したいのが、冨樫義博さんによる『HUNTER×HUNTER』(集英社)。幻影旅団のウボォーギンと十老頭直属の戦闘部隊・陰獣との戦いで出てきた、とんでもない技である。
ウボォーギンは筋骨隆々とした見た目の通り、怪力の持ち主で、あらゆるものを自身の拳で粉砕してしまう。非常に頑強で拳銃やライフル、バズーカ砲ですら倒せないため、生半可な気持ちでは対峙できない。
そんなウボォーギンに恐れることなく戦いを挑んだのが陰獣で、蚯蚓(みみず)・病犬(やまいぬ)・豪猪(やまあらし)・蛭(ひる)の4人がかりで襲いかかった。しかし力の差は歴然としており、次々と倒されてしまう。
しかし問題となったのが、戦いの途中で蛭がウボォーギンに繰り出した攻撃。それが、ヒルを傷口から体内に潜り込ませ、膀胱に卵を産みつけさせるという恐ろしい技だ……。卵が孵化すると、何億というヒルによる激痛で死亡してしまうという。
戦いの後、ウボォーギンはシズクにヒルを吸い取ってもらおうとしたが、彼女の能力では生き物を吸い込むことはできない。このままでは絶体絶命かと思われた。
しかし、そこでシャルナークがヒルの特性を見抜き、水分を大量に摂取し排尿し続ければヒルはふ化しないまま排出されると助言する。もし彼がいなかったら、さすがのウボォーギンもただでは済まなかったにちがいない。
■『ジョジョの奇妙な冒険』背中を見たら終わり
荒木飛呂彦さんによる『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)の第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場するチープ・トリックの能力は、かなり厄介である。
このスタンドは本体が存在せず、スタンドが独り歩きしているようなものだ。寄生された人間が背中を見られると生命エネルギーを搾り取られて死に、背中を見た人間がチープ・トリックに新たに取り憑かれる。
それを繰り返すだけのスタンドで目的は不明。しかもあらゆる攻撃が効かないので、どうやって倒すのかさっぱりわからなかった。取り憑かれてしまったら最後、誰にも背中を見られないよう生きるしかないように思えてしまう……。
その攻略法はスタンド能力ではなく、なんと霊の力を借りるという意外な方法。杜王町には黄泉の国へと通じる“決してふり返ってはいけない小道”があり、そこで振り向くとあの世へ連れていかれてしまう。それを利用して倒すしかなかった。だからこそ、杜王町で倒せて良かったと思う。別の場所だと、成すすべがなかっただろう。