『名探偵コナン』意外にもあった?少年探偵団がメインで解決した難事件の画像
名探偵コナン DVD Selection Case6.少年探偵団 (c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996

 青山剛昌氏による大人気ミステリー漫画『名探偵コナン』(小学館)では、数多くの難事件が起こり、そのほとんどが主人公・江戸川コナン(工藤新一)によって解決されている。しかし、あらためて過去のエピソードを振り返ってみると、コナン以外のキャラがメインで解決した事件もあるのだ。

 それが毛利小五郎や警察関係者の場合だと、本職なのだから解決できるのも当然の話だと思ってしまう。そんな中でビックリなのが、少年探偵団が解決した事件が意外にも存在すること。コナンと一緒に行動しているだけの“ただの小学生”かと思いきや、名探偵顔負けの活躍を見せることもあるのだ。

 

※本記事には作品の内容を含みます 

■コナンを出し抜き、光彦の推理がまさかの的中!

 まず紹介したいのが、アニメオリジナルの事件「商売繁盛のヒミツ」だ。これは信じられないかもしれないが、コナンが推理を外してしまうまさかの事件となっている。

 クラスメイトの倫太郎にとある依頼をされた少年探偵団だったが、コナンは乗り気ではない。依頼の理由が、倫太郎の実家の食堂に住み込みで働きたいとやってきた男がどこか怪しい……それだけだったからだ。

 その男は、今は亡き倫太郎の祖父への恩返しをしたいという理由だけで、給料なしで働くどころか、自費で古くなった店の改装までしてくれた。おかげで店は大繁盛だが、倫太郎によれば彼の祖父は「人に恩をかけるようなタイプ」ではなかったようだ。さらに、新メニューの研究を理由に奥にこもりきっているのも怪しい……。

 そこで聞き込み調査などを開始した少年探偵団だが、その中で円谷光彦が大胆な推理を披露する。男は5年前に起きた近所の宝石店の強盗事件の犯人で、宝石を当時建て替え中だった倫太郎の家の地下に埋めたから、家に入り込んで取り戻す機会をうかがっているというのである。これに対し、コナンは「無理がある」と否定的な態度を取っていた。

 その後、小嶋元太の提案で、少年探偵団は男に全てを知っていることを匂わせ罠を仕掛ける。これにもコナンは、「いるかよ! 小学生につつかれたぐらいでビビる大人が」と内心バカにしていた。しかし、男は倫太郎の家族に旅行を勧め、留守番を自ら買って出る怪しい行動に出る……。そして明らかになった真実は、光彦が読んでいた通りである。

 その男は宝石の強盗犯で、かなり気が弱かった。そのため、小学生にカマをかけられたくらいで焦って行動に移してしまう。そこを少年探偵団に待ち伏せされ、警察に逮捕された。

 そんな事件の解決にコナンは納得がいかない。「解決しても全然充実感のないこんな事件……オレは……大嫌いだー!」と負け惜しみめいたセリフまで口にしていた。コナンが難しく考えすぎたことが仇となってしまった、珍しいケースだといえるだろう。

■少年探偵団で解決!

 次に紹介したいのが、コミックス72巻に収録されている「カルタ取り危機一髪」である。このエピソードでは、コナンが風邪を引いてしまっており、現場で推理できなかった。

 この事件は少年探偵団がコナンとのテレビ電話の最中、“悪い奴が急に家に来た”と、見知らぬ少年に助けを求められたことから始まる。後ろには両親らしき男女がいたが、彼によればそのふたりは「知らない奴ら」とのこと……。

 少年探偵団はただのイタズラだと思ってスルーしようとした一方、コナンは彼が何らかのトラブルに巻き込まれている可能性をしめしたきり、体調不良に耐え切れず電話を切ってしまう。

 そこで調査を始めた少年探偵団だが、その結果分かったのは、少年が普段から嘘をついているオオカミ少年だという事実だった。しかし、灰原哀はオオカミ少年が最後に本当のことを言ったのに信じてもらえなかったことを持ち出し、調べ続けようとする。

 そこで、カルタをやろうと口実を作って少年の住む部屋に潜入開始。カルタが始まると、少年はカルタの札で「るこにて」という言葉を作り、トイレに立った。

 その際、見張るようについていく母親に対し、少年が“諏訪湖の毛ガニのタオルがないとトイレができない”と話したため、灰原がひらめく。「“す”は“こ”」「“け”が“に”」「“た”を“る”」という変換によって、「るこにて」を「たすけて」と読み替えるのに成功した。そして、少年と悪者に監禁されていた少年の本当の母親を助け出せたのだ。

 聞き込みや潜入、暗号の解読など、少年探偵団がコナン抜きで力を合わせて正解に近づく姿が斬新である。しかし、暗号解読の際、助詞についてすらすらと説明している小学1年生の光彦。やはりただものではない……。

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