■不老手術か、政府に対する交渉材料か?
ルフィと同じ最悪の世代にして超新星のひとり、トラファルガー・ローの悪魔の実「オペオペの実」は、その特異な能力と希少性ゆえに利用しようとするものはあとを絶たない。
医学の知識があるものが口にすれば、まるで人の体を自在に改造(手術)できる能力が得られる。その汎用性の高さはいうまでもなく、究極の技として能力者の命を代償にして永遠の命を授ける「不老手術」まで施せるという。
ローが能力を手にする前には、X・ドレークの父である元海兵の海賊バレルズが政府と交渉して50億ベリーという値段で取引を持ちかけようとしたほど。この金額は、世界最強の男と謳われた大海賊「白ひげ」の懸賞金とほぼ同額であることからも、その価値の高さがうかがえる。
そのオペオペの実の能力を持つローに黒ひげが勝利したとき、彼は「さて“オペオペの実”は『売る』か『使う』か悩ましいな…」と語った。黒ひげは続けて「俺を不老(不死)にもできるのか!?」と質問しており、不老手術についても知っていたのだろう。
黒ひげを不老にできるのであれば「使う(仲間に食べさせる?)」という選択肢もあったようだが、彼はそこまで不老にこだわっている様にも見えなかった。そうなると破格の値段で売れることを想定したうえで、交渉材料に使えるという思惑があったのではないだろうか。
実際、黒ひげは自身の国「黒ひげ王国」建国の野望を抱いている。「オペオペの実」ほどの希少価値の高い実を差し出せば、自分の国を世界政府加盟国に認めさせることも夢ではないと考えたのかもしれない。
世界中の強力な悪魔の実を奪う「能力者狩り」を行い、自らの海賊団員のものにして戦力増強を図ってきた黒ひげ。ジーザス・バージェスの「リキリキの実」、シリュウの「スケスケの実」などもその成果といえるだろう。
これまでの黒ひげの発言を振り返ると、事前にどの悪魔の実を狙うか、あたりをつけているようにも思えた。彼が集めようとしていた実にはどのような意味があったのか、その答えが分かる日が来るのが楽しみだ。