■可能性は感じるがシャアに向いているのか?

 三番目に登場したのは、モビルアーマーの「ビグロ」。アニメ『機動戦士ガンダム』ではトクワン大尉が乗ってガンダムと戦闘。その桁外れの加速性能によって、ガンダムに搭乗したアムロを気絶させ、あわや撃破寸前まで追い込んだ。

 もちろんシャアが搭乗すれば、トクワンよりうまく使いこなした可能性はある。だが、ビグロ自体は宇宙戦用に実用化されたばかりのMAだった。

 それゆえにビグロはガンダムの倍の巨体でありながら、「Iフィールド・バリア」を備えていない。よって、ガンダムの主武装であるビーム・ライフルを食らったら致命傷となりかねない。

 また高機動のビグロは、劇中でアムロが言っていたように「速ければ狙いも正確でなくなる」という弱点もある。クローアームとミサイルランチャー、そして機体前面にしか撃てないメガ粒子砲で、ガンダムに乗ったアムロを相手にするのは、シャアとはいえ分が悪そうだ。

■シャアお得意の「キック」は出せそうだけど?

 四番目に描かれたのは、赤い「ビグ・ザム」である。『機動戦士ガンダム』でドズル・ザビが乗り、ソロモン要塞で大暴れした巨大MAだ。

 『ジークアクス』の世界では量産化され、ジオンの勝利に貢献した機体ではあるが、ビグ・ザムはもともと基地攻略や要塞防衛などに適した高火力MAだ。小回りのきく機体による高速戦闘を得意とするシャアとはミスマッチな感がある。

 それに『機動戦士ガンダム』ではアムロとスレッガーによってビグ・ザムの懐に飛び込まれ、近接戦闘によって倒されている。同様の攻撃を受けた場合、いくらシャアとはいえビグ・ザムで対処するのは難しそうだ。

 なお、一応ビグ・ザムには脚部があるので、これまでシャアが随所で見せてきた「キック」攻撃は繰り出せそうではある。

■総合能力は高そうだが……!?

 五番目に映し出されたのは、アニメ『機動戦士ガンダム』には登場しない「ガルバルディ」だ。同機は富野由悠季氏の「トミノメモ」に登場したのが初出で、のちに『機動戦士Zガンダム』に登場した「ガルバルディβ」と区別するため「ガルバルディα」とも呼ばれる。

「ゲルググ」に「ギャン」の格闘性能を付与した機体ともいわれ、『週刊ガンダム モビルスーツ・バイブル90』(デアゴスティーニ・ジャパン)には、ジオン軍の格闘戦用MSとしては最強級とまで書かれている。

 しかし、同機のロールアウトは一年戦争の末期だった。アニメ『機動戦士ガンダム』ではニュータイプ専用の最新MS「ジオング」を用いてなんとかガンダムと相討ちまで持っていったシャアだが、ニュータイプとして最盛期を迎えたアムロに、同じようなMSのガルバルディでまともに太刀打ちできたかは疑問が残る。

 それに初代『ガンダム』の世界より一年戦争の終結が遅れていたのだとすれば、アムロのほうも「ガンダムNT-1(アレックス)」や「G-3ガンダム」のような高性能MSに乗り換える可能性だって考えられる。そうなると目も当てられないだろう。

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