■「エンディミオン・ユニット」から連想するもの

 「エンディミオン(エンデュミオン)」といえばギリシア神話に登場する、月の女神との悲恋で知られる美男子が思い浮かぶ。

 そして「エンディミオン・ユニット」の声を務めた古谷氏が、『美少女戦士セーラームーン』で演じた地場衛の前世の姿「プリンス・エンディミオン」を思い出した人も多いのではないだろうか。

 エンディミオン・ユニットは『ガンダム』のアムロ役でおなじみの古谷氏つながりのオマージュにも見え、『ジークアクス』の鶴巻和哉監督、シリーズ構成の榎戸洋司氏、そして脚本の庵野秀明氏など、『美少女戦士セーラームーン』に関わったスタッフが多いことによる遊び心の表れだったのかもしれない。

 ちなみに『ジークアクス』のシャア・アズナブルが「シロウズ」を名乗っていたときの黒のタートルネックに緑のジャケット姿は、『セーラームーン』の地場衛のファッションにそっくりだった。


 あらためて『ジークアクス』に残された大きな謎「エンディミオン・ユニット」を掘り下げてみると、やはりアムロ・レイと何らかのつながりがあるように思える。しかし、映画『逆襲のシャア』の結末もそうだったが、あえて真相は謎のままにしておくのも、ガンダム作品らしい終わり方なのかもしれない。

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