アムロやセイラだけじゃなかった…!? 『機動戦士ガンダム』ニュータイプらしき描写のあった「意外な人物」たちの画像
「機動戦士ガンダムDVD-BOX 1 特典フィギュア付(完全初回限定生産)」(バンダイビジュアル) (C)創通・サンライズ

 「ニュータイプ」とは、アニメ『機動戦士ガンダム』で登場した概念である。宇宙という新たな生活環境に適応した、「人の革新」を意味する言葉とされた。

 ニュータイプと呼ばれる存在は高い洞察力と状況認識力を持ち、人間同士の意思疎通を円滑にすると考えられているが、実際の定義はあいまいである。

 先日最終回を迎えた『ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)にも、主人公のアマテ・ユズリハのような「新世代のニュータイプ」と呼ばれる人物が登場。そして初代『ガンダム』にも登場するザビ家の長女「キシリア・ザビ」に、ニュータイプとしての素養がありそうなシーンが描かれていた。

 実は初代『機動戦士ガンダム』のときから、「実はニュータイプかもしれない」と思わせるキャラクターは存在した。そこで今回はニュータイプらしき描写が存在した、パイロット以外の登場人物を振り返ってみたい。

※本記事には作品の内容を含みます。

■神がかった操艦を見せた操舵手

 アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するホワイトベース隊には、作中屈指のニュータイプパイロット「アムロ・レイ」が所属する。さらに途中から優秀なパイロットとして頭角を現した「セイラ・マス」にもニュータイプと思われる描写があった。

 この二人のほかに、ニュータイプらしき描写が確認できたのが、ホワイトベースの操舵手を務めた「ミライ・ヤシマ」である。

 ジオンのエース部隊「黒い三連星」から襲撃を受けた際、苦戦するアムロたちを援護するため「マチルダ・アジャン」がミデアで出撃しようとする。

 それを聞いたミライは「少し間に合わないかもしれない……」と、まるで未来を予知したかのような発言をするのである。

 マチルダから理由を問われたミライは、「理由はありません。そう思えるんです」とあいまいに返答。さらにミライは突然「ハッ」と何かを察したかのような表情を浮かべ、マチルダの顔を見つめる不思議なシーンがある。

 実際この直後に出撃したマチルダは戦死した。一連の意味深なシーンを振り返ってみると、あのときミライはニュータイプ能力で、マチルダの最期を察知していたようにも思える。

 また宇宙でジオンの「ドレン」率いるキャメル艦隊と交戦した際、ミライは艦長のブライト・ノアからホワイトベースの回避運動を任された。

 すると突然ミライは面舵を切って艦を動かし、その直後にキャメル艦隊の放ったビームが飛来。まるでビームが飛んでくるのを予知したかのような、華麗な回避行動を見せた。

 いつも穏やかで優しくホワイトベース隊のお母さん的な存在のミライ。彼女にニュータイプとしての素養があったからこそ、ホワイトベースは一年戦争を戦い抜くことができたのかもしれない。

■子どもたちは全員ニュータイプ?

 ホワイトベースのマスコット的な存在である「カツ・ハウィン」「レツ・コ・ファン」「キッカ・キタモト」の三人。戦災孤児としてホワイトベースに乗り込んだ彼らも、まるでニュータイプのような不思議な力を披露した。

 最終話で、ホワイトベースのクルーたちは大爆発を起こしたア・バオア・クー要塞から脱出する。しかし、アムロだけがその内部に取り残されてしまう。

 誰もがアムロの離脱を諦めかけたとき、カツ・レツ・キッカの三人だけが、離れた場所にいるはずのアムロに脱出するための道順を教え始める。そして三人のカウントダウンに合わせて、ア・バオア・クーを離脱してきたアムロのコアファイターが飛び出してきたのである。

 それはまるで次世代のニュータイプたちによる、未来の希望を示したかのようなシーンだった。

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