■「サッカー」で真剣勝負!『仮面ライダーカブト』水嶋ヒロ
2006年から放送の『仮面ライダーカブト』で、主人公・天道総司(仮面ライダーカブト)を演じた水嶋ヒロさんは、実は名門・桐蔭学園サッカー部出身、全国大会ベスト4も経験するサッカーの実力者だ。
そんな水嶋のサッカー経験が活かされたのが、第19話「さそり富豪」。町内会のサッカーチームの助っ人を頼まれた天道だったが、「オレ一人で十分だ」と言い放ち、一人で試合に挑もうとする。これに対し、敵チームにいた神代剣(仮面ライダーサソード)も「じゃあオレも一人でやってやる」と応じ、前代未聞の“1対1のサッカー対決”が始まってしまうのだ。
実は神代役の山本裕典さんもサッカー経験者だった。作中の対決シーンでは、実力者2人によるドリブルやシュートなどの基本に忠実なプレーはもちろん「ヒールリフト」「ボレー」「オーバーヘッド」といった高度で派手なテクニックも飛び出し、まさに華麗なプレーの応酬となった。
ちなみに水嶋さんは得意のサッカーでつい熱くなったのか、演技とは思えぬほど悔しそうな“素のリアクション”を見せる場面も。リアルな表情も印象的な水嶋さんの特技披露シーンは必見である。
今回取り上げた俳優たちは、それぞれが自身の特技を演技やアクションに巧みに取り入れ、キャラクターの個性と見事に融合させていた。『仮面ライダー』シリーズという舞台が、俳優たちの“今ある力”を存分に発揮できる場であり、彼らの可能性を引き出す現場であることを、あらためて実感させてくれる。
次に仮面ライダーに変身する俳優は、どんな特技を持ち、それが物語の中でどのように活かしていくのだろうか。そんな視点で作品を観てみれば、シリーズの楽しみ方がさらに広がっていくだろう。