■その熱と魂は主人公へと受け継がれる…『天元突破グレンラガン』カミナ
2007年から放送されたロボットアニメ『天元突破グレンラガン』は、人類が地下に追いやられた世界を舞台に、個性的なキャラクターたちが繰り広げる活躍と彼らの生きざまが心を揺さぶる大人気作品だ。
なかでも、その熱い言動とまっすぐな心で主人公・シモンをはじめ、多くの人物を支え、導き続けたキャラクターこそ、大グレン団の初代リーダー・カミナだろう。
カミナは熱血漢を絵にかいたような青年で、若干17歳ながら持ち前のカリスマ性で多くの人物を魅了し、惹きつけた。逆境にも屈することなく突き進んでいく実直さ、苦難を跳ねのけてしまう荒唐無稽な活躍はまるで主人公のようで、その一方、少し間の抜けた部分も見せていたりと、実に魅力的なキャラクターであった。
頼れる兄貴分として慕われていたカミナだが、ダイガンザン攻防戦のさなか、敵の猛攻を受けてしまい重傷を負ってしまう。折れかけたシモンの心を奮起させ、必殺技「ギガドリルブレイク」で敵を撃破することには成功したものの、彼の肉体はここで限界を迎えてしまう。
そして最期の時、シモンに自身の信念を託したカミナは「あばよ、ダチ公」と言い、息を引き取るのだった。
作品を象徴するキャラとして活躍していたカミナだが、彼はアニメ8話という序盤で退場してしまう。だが実は彼の死こそがアニメ第一部が終了するきっかけとなっており、ここから物語はさらに大きく動き出していく。彼の魂は弟分・シモンへとしっかりと受け継がれ、その熱はより強く、激しいものへと成長していくのだった。
高い戦闘能力や卓越した知謀、人柄の良さやカリスマ性……と、ほかのキャラクターとは一線を画す高い実力で活躍し、物語を動かす有能キャラたち。
目覚ましい活躍もさることながら、そのあまりにも早すぎる死は、彼らに惹きつけられた読者、視聴者たちに大きな衝撃を与えた。
もしも、彼らが生きていたら……そんな“もしもの展開”に思いを馳せてしまうファンも多いのではないだろうか。