■当時7歳、無邪気な笑顔を見せる幼き姫役『忍者戦隊カクレンジャー』井上真央
1994年放送の『忍者戦隊カクレンジャー』には、のちに『キッズ・ウォー』や『花より男子』などで国民的女優となる井上真央さんが、幼少期のヒロイン・鶴姫役で出演している。当時はまだ7歳だったというから驚きだ。
鶴姫は、カクレンジャー唯一の女性戦士・ニンジャホワイトに変身する隠流忍法宗家の姫だ。若くしてリーダー的立場にある重要キャラクターであり、井上さん出演の第30話「再会 裏切りの父」で、その過去が描かれた。
物語では妖怪軍団の軍師・白面郎が、実は鶴姫の死んだはずの実父・義輝であったことが明かされ、その回想シーンに幼少期の鶴姫役として井上さんが登場。
白いリボンにワンピース姿で蝶を追いかけ、兄弟同然に育った年上の太郎・次郎と無邪気に遊ぶ。そして「お父様!」と叫んで父・義輝に駆け寄り、抱きかかえられる。屈託のない笑顔のなかに、現在の井上さんの面影が確かに感じられる。
実はこのシーン、特撮ファンにとっても見どころ満載だ。鶴姫の父・義輝を演じる五代高之さんは、『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)の2代目バルイーグル。さらに双子の兄弟・太郎役の土屋圭輔さんは『五星戦隊ダイレンジャー』(1993年)のキリンレンジャー、さらに次郎役の土屋大輔さんは『重甲ビーファイター』(1995年)のブルービートとしても知られる。
そうそうたるヒーローたちに囲まれていた、井上さんの貴重な姿だった。
いまや誰もが知る実力派・人気女優たちが、まだブレイク前に『スーパー戦隊』シリーズへ出演していたという事実は、ファンにとってはまさに“発掘された宝物”といえるだろう。
あのころのフレッシュな演技が、やがて日本の映像界を支える演技派女優へとつながっていく……そう思うと、あらためて『スーパー戦隊』シリーズの懐の深さ、そして歴史の面白さを感じずにはいられない。