ララァ発言の謎、「シャロンの薔薇」に違和感も…!?『ジークアクス』世界の“向こう側”にあるものとはの画像
『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』公式X(@G_GQuuuuuuX)のポストより

 『ガンダム』シリーズのテレビアニメ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)の第9話「シャロンの薔薇」が6月3日に放送された。

 この回は、ジオンの強襲揚陸艦「ソドン」の独房に監禁されていた主人公のアマテ・ユズリハ(通称、マチュ)が、ジークアクスに搭乗して艦から脱走、地球へと降下するところから始まる。

 そこでマチュは、『機動戦士ガンダム』にも登場した重要人物と出会うこととなる……。

※本記事には『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第9話の内容を含みます。未視聴の方はご注意ください。

■初代『ガンダム』のキーパーソンとの邂逅!?

 大気圏突入の衝撃で気を失ったマチュは、「カバスの館」と呼ばれている場所で目を覚ます。カバスの館とは、富野由悠季氏の小説『密会 ~アムロとララァ』(角川スニーカー文庫)でララァがいた高級娼館と同じ名称。同作では、シャアにニュータイプの素養を見出される以前のララァの姿も描かれていた。

 『ジークアクス』の作中でははっきり語られなかったが、おそらくカバスの館は小説と同じ娼館だと思われる。そしてマチュを助けたのは、宇宙世紀0085年になってもこの場所にいるララァだった。

 『ジークアクス』のララァは「夢で未来が見える」といわれており、不思議な力を持っている様子。当のララァは「私が見るのは“向こう側”の夢」と語り、夢のなかでララァは、ジオンの若い将校に見初められ、娼館から連れ出してもらったという。

 ララァが話した夢の内容は、初代『ガンダム』の物語につながるララァとシャアの出会いそのもの。まるで『ジークアクス』の世界とは異なる、別の並行世界が存在するかのようであり、ララァは実際に見てきたかのように夢の内容を語っていた。

■ララァが見た「向こう側の夢」の違和感

 ララァは「“向こう側”の私は恋をしている」「商売じゃない本物の恋」と語り、ジオンの若い将校……おそらくシャアに恋していたことを明かす。

 しかし夢の中のララァの想い人は、「連邦軍の白いモビルスーツと戦って命を落とす」という。さらにララァは「そしてジオンは戦争に負ける」と続けたことから、これは一年戦争時の話だと推察できる。

 言うまでもなく「連邦軍の白いモビルスーツ」のパイロットは、初代『ガンダム』の主人公アムロ・レイだろう。しかし『機動戦士ガンダム』でジオン公国は敗北するが、シャアは死んでいないので、ララァの見た夢の内容と食い違う。 

 何度巡り合っても、何度やり直しても「いつも白いモビルスーツが彼を殺してしまう」「大切な人を守ることができないのよ」とララァは嘆き、まるで彼女は彼の命を救うために自分の意思で同じ時間をやり直しているようにも聞こえた。

 ララァが語った「確実に殺されてしまう夢の中のシャア」の話と、アニメ『機動戦士ガンダム』でシャアが生存していたことは、『ジークアクス』において重要な意味がありそうだ。

■発見された「シャロンの薔薇」はいったい何なのか…!?

 『ジークアクス』の世界のララァは、マチュに「薔薇のところへ行きなさい」と促した。そしてマチュはジークアクスに導かれるまま、海中にて「シャロンの薔薇」を発見する。

 シャロンの薔薇は、初代『機動戦士ガンダム』でララァが搭乗していたモビルアーマー「エルメス」そのものの見た目をしていた。しかもシャロンの薔薇を前にしたマチュは、パイロットスーツを着て眠るララァらしき人物の姿を察知した。

 シャリア・ブルは「時間凍結されたままのシャロンの薔薇の内部には、今も一人の少女が眠っている」と語り、それはおそらく“向こう側”からやってきたニュータイプ」だと告げる。

『ジークアクス』のララァが語った“向こう側”の話と、シャリア・ブルの明かした話をあわせると、今もシャロンの薔薇に眠っているのは、やはり別の世界線のララァ・スンと考えるのが自然だろう。

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