■腹が減っては戦はできぬ? 戸部新左ヱ門
忍術学園で剣術師範をしている剣豪・戸部新左ヱ門(とべしんざえもん/以下、戸部先生)も、候補に挙げておきたい。
鋭い眼差し、眉間の三日月型の傷、そしてことあるごとに「ゆらり」と口にするちょっと癖の強い男性教員なのだが、その見た目通り剣の腕前は超一流。刀の技術はもちろん、ときには体捌きのみで相手の攻撃を見切ったりと、圧倒的強者の風格を漂わせている。
若い頃は修行の旅をしていた戸部先生。彼を討つため、以前戦った剣豪が訪ねてくることがあるほど、名が知られる存在でもある。
このように戦闘能力においては問題なしの戸部先生だが、実は弱点がある。それが、とにかく空腹に弱いことだ。腹が減ると刀すら持てないほどに弱体化してしまうため、戦い続けるためにはここぞという場面での補給が必要不可欠。だが、食べ過ぎても体が重くなってしまって動けないらしく、胃袋具合と戦闘能力の兼ね合いがなんとも難しそうではある。
あまりにも明確にオンとオフを切り替える、なんとも個性的な剣豪だ。空腹をうまくコントロールできれば、作中随一の強さを誇るかも?しれない。
■インパクト大なのは顔面だけじゃない…照星
室町時代後期が舞台となっている『忍たま』には、遠方の敵を射抜く強力な武器・火縄銃もたびたび登場している。先に紹介した伝蔵も卓越した火縄銃の腕前を持つが、この名手として登場したのが、謎多き男・照星(しょうせい)だ。
照星は丸い黒眉にくるりと曲がった前髪、分厚い唇に強い目力と、どこか能面を彷彿とさせる個性的な顔立ちをしている。一見何を考えているのか分からない人物なのだが、性格は常に冷静沈着で博識であり、加藤村の用心棒や佐武衆の一員として火縄銃の腕前を発揮している。
室町時代末期の設定で描かれている『忍たま』だが、接近戦が主流だった当時の戦いにおいて、遠方から的確に獲物を狙う火縄銃は強力無比な武器であった。その名手ともなれば、向かうところ敵なしといえるだろう。
作中、照星は落ち込む乱太郎におにぎりを振る舞い、話を聞いてアドバイスをしたり、忍術学園で火縄銃の特別指導を施すなど、面倒見の良い一面も見せている。謎が多いため、まだまだ強さについては計り知れないところはあるが、ここぞと言うときに頼りになる懐の深い人物であることは間違いない。
数多くの個性的なキャラクターが活躍する『忍たま』だが、舞台となっている時代柄、ときには激しい戦闘シーンも登場する。忍者たちはもちろん、剣豪、狙撃手と、それぞれの持ち味を生かした実力者たちが各勢力で活躍するのも、本作の見どころだと言えるだろう。
強烈なキャラクター性やコミカルなギャグシーンのみならず、彼らが不意に見せる強さからも目が離せない。あなたの思う「最強キャラクター」は誰だろうか?