
漫画作品において、物語の最後に主人公らの前に大きな壁として立ちはだかるラスボスキャラたち。それまでの敵役を超越する圧倒的な実力者ばかりだが、その一方、作品によってはラスボスすら上回る、凄まじいポテンシャルと存在感を放った敵キャラも登場する。
ラスボスすらかすんでしまうほど強烈な力を見せつけ読者を絶望させた、バトル漫画の強キャラたちについて振り返っていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■名言も多い、まさに悪のカリスマ…『BLEACH』藍染惣右介
死神の力に目覚め「死神代行」を引き受けた高校生・黒崎一護が「虚(ホロウ)」と呼ばれる怪異をはじめ、さまざまな強敵と激闘を繰り広げる久保帯人氏の『BLEACH』。
なかでも、圧倒的な実力とカリスマ性でファンの人気を集めたのが、死神たちの精鋭集団である護廷十三隊五番隊隊長・藍染惣右介だ。
「尸魂界篇」にて登場した藍染はいつも柔和な雰囲気を身に纏っており、皆に慕われるようなキャラだった。しかし、実は彼こそがまさかの黒幕であり、正体を明かしてからはその残忍な冷酷かつ残忍な本性をあらわにし始める。
藍染は作中通しても屈指の強者だ。なにより、彼の斬魄刀・鏡花水月の真の能力である「完全催眠」が厄介極まりない。
他者の意識、記憶、五感を自在に支配することができるため、これにより自らの死を偽装したり、他者を自分だと偽装し相打ちを誘うことも可能。実際、作中では日番谷冬獅郎に雛森桃を刺し貫かせている。
しかもこれは本作のラスボス・ユーハバッハへの有効打としても使用されており、自身の姿を一護に誤認させ、結果的に彼と共闘、撃破した。
藍染は霊圧や鬼道など死神としての能力も別格だった。さらに話術にも長けており、相手の心を揺さぶり、ときには誰かを魅了し従わせたりと、総合的な能力が別次元だった。
己の目的のためにいっさい顧みない姿勢も敵キャラとして非常に純度が高く、その徹底した悪役ぶりに惚れ込むファンも多かった。
■蘇ってしまった、伝説の忍…『NARUTO-ナルト-』うちはマダラ
「忍者」という存在に独自のアレンジを加え、ど派手で熱いバトル展開が多くの読者を魅了する岸本斉史氏の『NARUTOーナルトー』。
物語終盤、凄まじい実力で主人公・ナルトたちを圧倒し、多くのキャラクターを返り討ちにした強キャラといえば、うちは一族“最強の忍”と称されるうちはマダラだろう。
作中では故人なのだが、最終局面で巻き起こる「第四次忍界大戦」のさなか、禁術「穢土転生」でまさかの復活を遂げ、忍連合軍と対峙する。猛者が入り乱れる戦場で、マダラは圧倒的な実力を見せつけ忍たちを震撼させた。
彼は作中最強の瞳術とされる「輪廻眼」に覚醒しており、ほぼすべての忍術を最高レベルで使うことができる。一気に戦場を火炎で覆う「火遁・豪火滅却」をはじめ、上空から巨大な隕石を複数個落下させるなど、たった一人で天変地異クラスの術式を繰り出した。
また、写輪眼を持つ者だけが使える術「須佐能乎」で遠方の山を切断するなど、技のスケールがほかの忍たちとは一線を画しており、同じく蘇った宿敵・千手柱間とは術で作り上げた巨像をぶつけあうなど、とんでもない戦いぶりで読者を圧倒した。
さらにマダラは十尾の人柱力となり、さらなる力に覚醒。世界中の生物が幻術の世界に取り込む「無限月読」まで発動してしまう。
常軌を逸した実力で戦場をかき乱し、ついには世界を支配下に置いてしまったマダラ。ラスボスに匹敵するほどの凶悪さで、読者にも絶望感を与え続けた印象的なキャラクターである。