■男子高生が溺れる大人女性の魅力『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』石田ゆり子

 2001年に放送されたドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』は、滝沢秀明さんが主演を務めた作品で、高校生の片思いが複雑に絡み合う青春群像劇である。

 本作で石田ゆり子さんが演じたのが、生徒である佐伯哲也(窪塚洋介さん)が想いを寄せる高校教師・浅見真理子だ。

 2人の関係は純愛というより、哲也が強烈に真理子を愛している印象だ。それに対し真理子は淡々と応じており、すり寄る彼に「私おばあちゃんになっちゃうよ」「君のことずっと愛さないかも」と、どこか遠くを見つめてつぶやいたりもする。

 だが、そんな真理子に対し、哲也は常にぐいぐい迫っていく。ある時は、お見合いをした真理子に対し、“相手とはどこまで関係を結んだのか”と問い詰め、彼女が座る椅子を自身の両脚でワイルドに引き寄せる。真理子は「ここは学校よ」と冷静に言い放つも、完全に哲也を無下にしているかというと、そうは言い切れない感じである。

 物語は滝沢さん演じる主人公・入江まなとの恋愛を中心に進んでいくのだが、この哲也と真理子の関係からも目が離せなかった。石田さん演じるクールビューティーな女性教師・真理子は哲也よりも一枚上手な大人の魅力を見せているのも印象的だ。単なる可愛らしさではなく、男子生徒が思わず頼りたくなるような魅力に満ちていた。

 そんな本作の脚本は、教師&女子生徒の恋愛を描き社会現象にもなった『高校教師』の野島伸司さんが担当している。あの禁断の恋愛が持つ雰囲気はそのままに、教師と生徒という枠を超え、大胆な関係が続いていくのも見どころだったと言えるだろう。

 

 教師と生徒の恋愛は禁断の恋だが、フィクションでは切なく描かれて、そのたびに我々の心を揺り動かしてきた。

  1. 1
  2. 2
  3. 3