松嶋菜々子と滝沢秀明の逃避行、石田ゆり子と窪塚洋介の駆け引き…女性教師と男子生徒の「禁断の恋」を描いた名作ドラマの画像
松嶋菜々子  写真/ふたまん+編集部

 「禁断の恋」というと、あなたはどのようなシチュエーションを思い浮かべるだろうか。たとえば、その一つに「教師と生徒の恋愛」が挙げられるだろう。一般的にそう聞くと、なんとなく「男性教師と女子生徒」の関係がイメージされがちだが、なかには「女性教師と男子生徒」の恋愛もあり、それを描いたドラマも人気を博してきた。

 今回はそんなスリリングな恋模様を描いた作品と、作品を象徴する衝撃シーンを振り返りたい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■周囲からの反対や誹謗中傷も見ていて辛かった『魔女の条件』松嶋菜々子

 1999年に放送されたドラマ『魔女の条件』は、松嶋菜々子さんが演じる高校教師・広瀬未知と、滝沢秀明さんが演じる生徒・黒澤光の禁断の恋を描いたドラマだ。絶対に好きになってはいけない立場と分かっていながらも、どうしても惹かれ合ってしまう2人。社会通念と自身の心との葛藤をリアルに描いたドラマだった。

 もともと未知は仕事に熱意が持てず、将来は結婚に頼ろうと思っていた女性だ。しかし、いざ付き合っていた恋人からプロポーズをされると戸惑いを覚え、自分の人生と向き合うことになる。そんなときに光と出会って互いに惹かれ合い、その関係が徐々に周囲に知られ、逃避行や妊娠……といった波乱の展開が続いていくのだ。

 2人の関係がほかの生徒にバレた際、光は壮絶なイジメに遭っている。教師と生徒の恋愛がいかに周囲を巻き込み、大きな波紋を呼ぶか……その現実的な困難さを痛感させる作品であった。

 プリクラを撮ったり、人差し指を重ねたりと、想い合う2人のシーンはどれもピュアで印象的だったが、とりわけ全校生徒の前で「黒澤光君を愛してます」と、未知が告白をする場面はインパクトが大きかった。前途多難な2人の恋路にハラハラしつつ、幸せな結末が待っていることを願った人も多かっただろう。

 ちなみにドラマのテーマ曲は、宇多田ヒカルさんの『First Love』。2人が触れ合う絶妙なタイミングで流れるバラードは、多くの視聴者の胸を打った。

■危ういのは中学生か、教師か…波紋を呼んだドラマ『中学聖日記』有村架純

 ドラマ『中学聖日記』(原作:かわかみじゅんこさん)は、有村架純さん演じる中学校教師・末永聖と、水上恒司さん(当時の名義は岡田健史)演じる生徒・黒岩晶との、叶わないと知りながらも惹かれ合う切ない恋愛ストーリーである。

 聖は婚約者がいながらも、思春期特有の真っ直ぐな感情をぶつけてくる晶に次第に心を動かされていく。ドラマで2人は惹かれ合っていくものの、やはりその立場上、なんとも言えないもどかしさが付きまとい、目が離せない展開が続いた。

 作中、晶は「僕のことも先生に好きになってほしい」「子ども扱いしないでください」とストレートな思いをぶつける。当初は教師という立場を死守し、晶のことを拒否していた聖も、次第に自分の気持ちを押さえられなくなっていく。

 やがて聖は「黒岩君の隣にいたい」と伝え、晶も「僕もです」と応じる。しかし、お互いの気持ちが通じ合った瞬間、警察官がやってきて、聖は未成年者の連れ去り容疑で任意同行されてしまうのだ。愛し合うにはあまりに若すぎるがゆえの障壁が、2人の前に立ちはだかったのである。

 このドラマが放送されたのは2018年。賛否両論が巻き起こったドラマだったが、最終的には多くの視聴者から支持を得た作品である。

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