■視聴率のことしか考えていない出目川仁

 最後に紹介したいのが、さくらTVのディレクター・出目川仁だ。出目川は、いかに高視聴率が取れるか、つまりいかに金と権力を得るかということしか考えていない。

 そのため、キラによって多くの人間が次々と殺されていく中、キラを英雄のように扱う番組を放送する。そうして世間を煽り、キラの支持者を生み出すきっかけを作ってしまった。

 おまけに本人はキラの行動を支持する気持ちはなく、世間に注目してもらってそれが自分の利益につながればいいという考えだ。

 「キラ」を名乗る人物からビデオテープを受け取ったときには、視聴率のためにリスクを承知で放送し、そのせいで多くの人間が次々と命を奪われていく。止めようとした警察官までもが第二のキラに殺されてしまった。

 出目川の身勝手な行動によって無関係な人間の命が奪われてしまったので、警察庁刑事局局長・夜神総一郎も激怒してテレビ局に突入していた。その気持ちもよく分かる。

 しかも後に出目川はキラ支持者の心理を利用して、キラ王国のトップとしてまるで自身がキラのように振る舞っていた。

 これにはさすがの月も手に負えなくなってしまう。最終的には、キラを尊敬する魅上照が月に代わって、出目川のことを粛清した。出目川は終始キラに寄生するような行動ばかりで調子に乗っていたので、殺されても仕方がないと思ってしまった……。

 

 『DEATH NOTE』に登場するゲスキャラは、月とはまた別のゲスさがあり、かなり印象に残っている。それぞれデスノートによって死を迎えているところもふさわしい末路だ。

 月も結局はデスノートによって死んでいるので、ゲスキャラはそういう最期を迎える運命にあるのかもしれない。

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