弱そうだけど実はめちゃ有能…!? 歴代『ファイナルファンタジー』使ってビックリ「隠れた強キャラ」たちの超性能 『FF4』ギルバートに『FF6』ガウ、『FF9』クイナも…の画像
『ファイナルファンタジーVI』(スクウェア)  (C)1994 スクウェア(写真/ふたまん+)

 日本を代表する大人気RPGシリーズ『ファイナルファンタジー(FF)』(スクウェア・エニックス)は、1987年の第1作発売以来、世界中のファンを魅了し続けてきた。壮大で緻密に作り込まれた世界観、そして感動的で奥深いストーリー展開が魅力だが、さらに、各作品ごとに登場する個性豊かなキャラクターたちも、シリーズの大きな特徴となっている。

 さまざまな武器や魔法、スキルを使いこなし、困難な冒険に挑む『FF』のキャラクターたち。その中には一見すると戦闘には不向きに思えるキャラクターも存在する。だが、彼らが実は驚くほどの実力や隠された才能を持っていることも珍しくない。

 こうした意外性のあるキャラクターたちは、物語やバトルに深みをもたらす印象的な存在でもある。今回は、そんな『FF』シリーズの中でも、思いがけない素質や能力でプレイヤーを驚かせたキャラクターたちに注目し、その魅力や活躍ぶりについて詳しく見ていこう。

※本記事には各作品の内容を含みます

■吟遊詩人はリメイク版で返り咲く…『ファイナルファンタジーIV』ギルバート・クリス・フォン・ミューア

 『FF』シリーズのなかでも、思わぬ強キャラとして印象的なのが『FF4』に登場する、ギルバート・クリス・フォン・ミューアだろう。

 亡国ダムシアンの王子という素性を隠し持つギルバートは、序盤に仲間となるキャラクターの一人で、吟遊詩人としてさまざまな状態異常をもたらす「うたう」や、味方全体を回復する「くすり」といった特殊コマンドで活躍してくれる。

 だは、その性能は優秀とは言い難く、かなり早い段階でパーティを離脱してしまうこともあり、『FF4』のなかでも、あまり良い印象を持たれないことが多かった。

 だが、のちに発売されたゲームボーイアドバンスのリメイク版では、グラフィックやゲームバランス、システムが大幅に変更され、最終決戦に連れていくパーティメンバーを任意のキャラに切り替えられるようになった。これは、オリジナル版との大きな違いといえるだろう。

 これにより、序盤で脱退していたギルバートも最終戦に参加可能となり、さらに特効効果を持つ強力な専用武器の追加や、他のキャラを圧倒する素早さ、味方全体に強化を付与するアビリティ「ねっしょう」が加わったことで、思いがけない強キャラへと変貌した。

 育てきるまではなかなか時間を要するが、準備を整えれば唯一無二の実力を発揮する大器晩成型のキャラクターに生まれ変わったのである。

 ちなみに、続編『FFIV THE AFTER-月の帰還-』にも登場するギルバート。本作でもバランスが良い性能で、パーティの力となってくれている。

■使えば使うほどに奥深い、玄人向けキャラクター『ファイナルファンタジーVI』ガウ

 1994年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『FF6』は、これまで以上にハイクオリティなグラフィックや音楽、個性的な仲間キャラクターたちの物語が絡み合う群像劇も大きな見どころだった。

 そのなかでも、知る人ぞ知る強キャラとして活躍したのが、モンスターと共に育った野生児・ガウだろう。

 獣ヶ原でマッシュやカイエンらの前に姿を現すガウは、野生児として育ったがゆえに言葉を片言でしか喋ることができず、専用コマンド「あばれる」によって敵モンスターの技を使用するなど、独自の癖の強さを持つキャラクターである。

 一見、使いにくいキャラにも見えるが、この「あばれる」が実に奥深く、うまく使いこなすことでほかの追随を許さない圧倒的な戦闘力を発揮してくれるのだ。

 たとえば、ガウが仲間になった直後、ストレイキャットから覚えられる「ネコキック」は、物理攻撃の4倍のダメージを与える凄まじい性能を誇っており、最終局面まで火力技として活躍する。

 また、おなじみの強力魔法「メテオ」や、魔防無視の高威力魔法「メルトン」、そしてラスボスまで通用し、一度かかれば治癒せずに相手の行動を抑制できる「誘惑」など、強力無比な技がこれでもかと用意されているのだ。

 敵の技を実際に食らわなければマスターできないこともあり、少々癖は強いものの、使いこなせばゲーム性そのものを大きく変えてしまいかねないほどの強さなのは間違いない。凄まじいポテンシャルを秘めたキャラクターである。

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